花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

小宮一慶 あたりまえのことをバカになってちゃんとやる

小宮一慶 「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる」最近私の会社のマネージャーたちの間で「当たり前のことを当たり前にやる」を流行らせようとしているらしく、先月私もその洗礼を受けました。こんなゴミみたいな言葉を流行らせるつもりなのか?と反…

夕木春央 方舟

夕木春央 「方舟」コミュニティでも話題になっていた作品を読んでみました。 主人公たちは山奥にある地下施設「方舟」で一晩明かすことになった。翌朝地震が発生したことで出入り口が岩で塞がってしまい、地下から水が施設内に流れ込み始めてしまう。脱出の…

黒川博行 後妻業

黒川博行 「後妻業」気になってはいたけどずっと後回しになっていた作品を読んでみました。 91歳の男性が妻に先立たれた後に69歳の女性を後妻として迎えた。後に男性は倒れて搬送されるがこれは後妻が持病の薬をすり替えて起こしたものであり、すぐに死ぬと…

薬丸岳 最後の祈り

薬丸岳 「最後の祈り」薬丸さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の男性は牧師をする傍らで受刑者の教誨師のボランティアをしていた。あるとき結婚を間近に控えた娘が殺害されてしまい、犯人である男性は娘を含め4人殺害していたため死刑判決が下…

真紀涼介 勿忘草をさがして

真紀涼介 「勿忘草をさがして」昨年の鮎川賞の作品が書籍化されたので読んでみました。今回は受賞作品がないため優秀賞の作品を書籍化したとのこと。鮎川賞はミステリー作品の新人賞という位置づけとなりますので毎回期待しながら読ませてもらっています。 …

佐野広美 戦火のオートクチュール

佐野広美 「戦火のオートクチュール」佐野さんの新しめの文庫を見つけたので読んでみました。 主人公の母が祖母の遺品を整理していたところ、シャネルが作ったとみられる血に染まったスーツが見つかった。祖母はかつて書記官の娘としてパリにいた時期があり…

桂望実 息をつめて

桂望実 「息をつめて」他のブロガーさんが紹介していたのを見て読んでみました。 主人公の女性は人目につかないように友人も作らず、職場も住居も転々としてひっそりと生きていた。その理由は彼女の息子がかつて連続殺人事件を起こし少年刑務所に入っている…

水野学 センスは知識からはじまる

水野学 「センスは知識からはじまる」仕事に役立ちそうな書籍を探していて面白そうな本を見つけたので読んでみました。本当は思考や直感をもっと言語化するにはどうしたらいいか、について手助けになりそうな書籍を探していたのですが(笑) 著者は熊本県の公…

桃野雑派 星くずの殺人

桃野雑派 「星くずの殺人」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 民間企業による宇宙旅行のモニターツアーが実施されることとなった。宇宙に設立されたホテルに到着したのだが、宇宙船の機長が無重力下で首を吊って死んでいるのが発見される…

逸木裕 銀色の国

逸木裕 「銀色の国」逸木さんの文庫本が新しく出ていたので買ってみました。 主人公はNPOで自殺対策に取り組む男性。彼がかつて対応して立ち直ったと見ていた男性が自殺したと連絡がある。遺族によると彼は自殺前にVRゲームに没頭していたと聞き、友人のゲー…

恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす

エイミー・C・エドモンドソン 「恐れのない組織 「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす」仕事で使うために読んだ書籍は上げないようにしているのですが、これは職種問わずためになりそうなので書評を書いてみます 近年注目となっている「…

久住四季 星読島に星は流れた

久住四季 「星読島に星は流れた」久住さんの作品で面白そうなものがあったので買ってみました。 主人公のものとある島への招待状が届く。その島は数年に一度隕石が落ちてくるという奇跡の島であり、しかも招待された客が滞在している間に隕石が落ちた場合は…

下村敦史 ガウディの遺言

下村敦史 「ガウディの遺言」下村さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は外出したまま帰ってこない父を探していると父の友人がサグラダファミリアの塔から吊るされて殺害されているのを発見してしまう。現場の状況からサグラダファミリア…

白井智之 名探偵のはらわた

白井智之 「名探偵のはらわた」以前読んだ「名探偵のいけにえ」が面白かったのでその前進にあたるこちらを読んでみました。 探偵の助手をしている主人公は放火事件の調査のために山奥の農村を訪れる。そこで起きた事件は探偵の推理により解決するが、その村…

長江俊和 恋愛禁止

長江俊和 「恋愛禁止」長江さんの新しい文庫本が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は高校生の頃から交際していた当時の担任に別れた後も付きまとわれた末に殺害してしまう。逮捕を覚悟していたが警察どころか彼が殺害されたことすらニュースなどに…

小川哲 ユートロニカのこちら側

SF

小川哲 「ユートロニカのこちら側」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 ある大企業により巨大な都市が建設された。そこは視覚などの五感や位置情報などすべての個人情報を企業に提供する代わりに何も不自由のない豊かな生活を保証してもら…

白井智之 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件

白井智之 「名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件」2023本格ミステリベスト10の1位に選ばれた白井さんの作品ということで読んでみました。 主人公の探偵は助手の女性の活躍によって名声を高め、一躍有名人となっていた。あるとき彼女が宗教教団の調査に向かっ…

天野節子 容疑者は何も知らない

天野節子 「容疑者は何も知らない」あらすじを読んで気になったので読んでみました。 印刷会社に勤める男性は失態で降格、左遷させられてから不貞腐れた日々を送っていた。ある日、会社で偶然知り合った女性からブティック経営を立ち上げるメンバーになって…

逸木裕 電気じかけのクジラは歌う

SF

逸木裕 「電気じかけのクジラは歌う」逸木さんの作品で気になる内容のものを見つけたので読んでみました。 人工知能アプリに好みの曲をインプットすることで自分好みの曲を作ってくれるようになったために作曲家がいなくなった近未来が舞台。主人公は元作曲…

佐野広実 シャドウワーク

佐野広実 「シャドウワーク」佐野さんの作品で新しめのものを見つけたので読んでみました。 江の島の近くにDV被害から逃れてきた女性たちが共同生活するシェルターがあった。そこではアルバイトの斡旋やレクレーションなどDVで壊されてしまった心身の強さを…

小西マサテル 名探偵のままでいて

小西マサテル 「名探偵のままでいて」2023年の「このミステリーがすごい!」の大賞に選ばれた作品ということで買ってみました。 主人公の女性の祖父は認知症によって幻視や記憶障害の症状が見られるようになっていた。それでも調子が良い時は切れ者であったか…

織守きょうや 悲鳴だけ聞こえない

織守きょうや 「悲鳴だけ聞こえない」気になっていたけど去年結局読まなかった作品三つ目を読んでみました。去年読まなかった作品群はこれで最後になります。 新人弁護士と先輩弁護士が主人公の短編集でシリーズ物の第三弾です。各章は破産手続き、遺言状作…

阿津川辰海 斜線堂有紀 あなたへの挑戦状

阿津川辰海 斜線堂有紀 「あなたへの挑戦状」気になっていたけど去年結局読まなかった作品二つ目を読んでみました。グループにもこの作品の投稿がいくつかありました。 両著者が書いたミステリー作品が収録されていたものとなります。阿津川さんが書いている…

桂望実 残された人が編む物語

桂望実 「残された人が編む物語」明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。新年一冊目は気になってはいたけど後回しにし続けていた作品を読んでみました。 行方不明者捜索協会という民間企業に勤めるスタッフと依頼者で行方不明者を追…

薬丸岳 罪の境界

薬丸岳 「罪の境界」薬丸さんの新刊が出ていたので早速買ってみました。 主人公は通り魔事件の被害にあってしまった女性。その場に居合わせた男性がかばったために彼女は一命をとりとめたが、約束は守ったと伝えて欲しいと彼女に言い残して男性は亡くなって…

鴨崎暖炉 密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック

鴨崎暖炉 「密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック」前作の「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」が面白かったので新刊の続編を買ってみました。 密室殺人を破られなければ罪にならないと判例が出たことで密室による殺人が頻発していた。…

逸木裕 虹を待つ彼女

逸木裕 「虹を待つ彼女」以前読んだ「祝祭の子」が面白かったので逸木さんの別の作品を読んでみました。 主人公は人工知能の研究者。ユーザとの会話から学習して人間のようにコミュニケーションが取れるアプリをリリースしていたが、あるとき死者を人工知能…

秋吉理香子 終活中毒

秋吉理香子 「終活中毒」この作品の前身にあたる「婚活中毒」が面白かったのでこちらも読んでみました。 死ぬ前に実施する終活をテーマにした話を集めた短編集となります。短編には自身の終活と他人の終活の両方の内容がありまして、自分が人生の最後に後悔…

山田悠介 サブスクの子と呼ばれて

SF

山田悠介 「サブスクの子と呼ばれて」あらすじを読んで気になったので読んで見ました。 様々なサービスがサブスク化する中で人間のサブスクサービスが認められた。サブスクでは子供がサービスを提供するのは違法とされているが、需要と単価が高いことから裏…

逸木裕 祝祭の子

逸木裕 「祝祭の子」あらすじを見て面白そうだったので読んでみました。 14年前に宗教団体の施設内で大量殺人事件が発生した。事件を起こした宗教団体の長は洗脳して殺人の訓練を施した子供たちに信者を殺害させ、自らは姿を消した。そういった背景だったの…