花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

2023-01-01から1年間の記事一覧

荒木あかね ちぎれた鎖と光の切れ端

荒木あかね 「ちぎれた鎖と光の切れ端」以前読んだ「此の世の果ての殺人」が面白かったので荒木さんの新しめの作品を読んでみました。 主人公の男性は友人たちと孤島にやってきた。彼はこの友人たちを殺害して自分の先輩の仇を討とうと計画していた。しかし…

遠田潤子 邂逅の滝

遠田潤子 「邂逅の滝」遠田さんの新しめの作品が面白そうだったので読んでみました。 山間にある町にある紅滝と呼ばれる場所が名所として知られていた。その滝にはかつて恋をした相手に裏切られ捨てられた姫が祀られているという言い伝えがあった。町として…

夕木春央 十戒

夕木春央 「十戒」昨年話題になった「方舟」の著者の新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は死んだ叔父が持っていた孤島をリゾート施設するための視察に父と一緒に同行していた。リゾート計画の関係者たちと島をまわってみると別荘には誰かが滞…

手代木正太郎 涜神館殺人事件

手代木正太郎 「涜神館殺人事件」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 主人公の女性は妖精と交信することが出来る霊能者として名が知れているが、その実態は手品で騙しているペテン師であった。あるとき「涜神館」という幽霊屋敷を所持して…

織守きょうや 彼女はそこにいる

織守きょうや 「彼女はそこにいる」織守さんの作品で気になっていながらも後回しになっていた作品をようやく買ってみました。 女子中学生が母親ともに一軒家に引っ越してきた。妹とともに地域に馴染もうとしていこうとしていた矢先に、妹が神社で古ぼけた人…

南杏子 いのちの十字路

南杏子 「いのちの十字路」南さんの新しめの作品があったので読んでみました。 主人公はまほろば診療所に戻ってきた若い男性医師。診療所の力になると意気込んでいたが、世間ではコロナウィルスが流行り出していたため訪問看護にとっては厳しい状況下であっ…

山本大平 嫌な仕事のうまい断り方

山本大平 「嫌な仕事のうまい断り方」自己啓発系も読んでみると良い、というアドバイスを上司からもらったので今回は自己啓発系の書籍となります。最近業務割り当てに関する揉め事が何度かあったので、役に立つかなと思い買ってみました。 タイトルに反して…

東野圭吾 あなたが誰かを殺した

東野圭吾 「あなたが誰かを殺した」加賀シリーズの新刊が出ていたので買ってみました ある別荘地にてパーティーをしていた団体のメンバーが次々と殺害される事件が発生した。犯人は逮捕され、死刑になるために誰でも良いから殺害したかったと供述しているが…

孫沁文 厳冬之棺

孫沁文 「厳冬之棺」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 湖のほとりに建つ屋敷の地下室にて遺体が発見された。その地下室は近日の大雨で出入口が水没しており密室状態であり、現場にはへその緒が残されていた。屋敷の主の一族は男性しか産…

敷島シキ 解剖探偵

敷島シキ 「解剖探偵」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 主人公の新人刑事には殺害された被害者の霊を見る能力があり、今見ている首吊り死体の現場にも霊がいることから自殺ではないと気づいていた。しかし現場の状況から自殺と判断され…

一本木透 あなたに心はありますか?

一本木透 「あなたに心はありますか?」一本木さんの新刊が出ていたので買ってみました。デビュー作の「だから殺せなかった」から4年ぶりの新刊とのこと。 主人公はAIの研究をしている教授で人の心をAIで作り出すことを目標に研究していた。あるシンポジウム…

斜線堂有紀 本の背骨が最後に残る

SF

斜線堂有紀 「本の背骨が最後に残る」斜線堂さんの新刊が出ていたので買ってみました。気になる新刊がまた何冊か出てきてしまったので新刊の頻度がまた上がりそうです。 ある国には世間でいう紙などの「本」が存在せず、人に物語を語り聞かせる人間が「本」…

方丈貴恵 アミュレット・ホテル

方丈貴恵 「アミュレット・ホテル」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 「アミュレットホテル」は警察の介入がなく、ルームサービスとして武器や偽造品の配送、遺体の火葬などのサービスも提供してくれるため犯罪者にとって楽園のような人…

神津凛子 オイサメサン

神津凛子 「オイサメサン」神津さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は小学生のころから霊が視えるようになった。特に赤い服の女性の霊をよく見かけ、霊への対策として「オイサメサン」の指輪という祖母からもらった魔除けを身に着けて暮…

犬塚理人 眠りの神

犬塚理人 「眠りの神」知り合いが教えてくれた作品。犬塚さんの作品はかなり前に「人間狩り」を読んで以来です。 主人公の女性医師はスイスにて安楽死を執行するボランティア団体に所属していた。尊厳ある死を提供する手伝いをしている、と自分では考えてい…

市川憂人 ヴァンプドッグは叫ばない

市川憂人 「ヴァンプドッグは叫ばない」市川さんの新刊が出ていたので買ってみました。「ジェリーフィッシュは凍らない」から続くシリーズの最新刊となります。 主人公の警部たちは強盗集団の行方を追っていたが、応援要請を受けて別の市に向かっていた。要…

染井為人 黒い糸

染井為人 「黒い糸」染井さんの新刊が出ていたのでさっそく買ってみました。8月末に気になる新刊がいくつか出てきたので新刊の投稿が続きそうです。 結婚相談所に勤めるシングルマザーの女性は怒りのあまり会員とトラブルを起こしてしまう。その会員から恨み…

下村敦史 逆転正義

下村敦史 「逆転正義」下村さんの新刊が出ていたので買ってみました。 正義感をテーマにした短編集となります。日常生活やSNSの中で行き過ぎた正義感によって炎上やトラブルにつながることがよく見られるようになったことに対しての警笛として本書が描かれて…

新川帆立 縁切り上等!

新川帆立 「縁切り上等!」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 夫の浮気を知ってしまったのを境に彼のすべてに耐えられなくなった妻が子供を連れて夫から逃げていた。逃亡の最中に匿ってくれた女性は縁切寺の娘であり離婚を専門とする弁護士…

おぎぬまX 爆ぜる怪人 殺人鬼はご当地ヒーロー

おぎぬまX 「爆ぜる怪人 殺人鬼はご当地ヒーロー」タイトルに惹かれて買ってみました。「このミス」大賞2023の隠し玉の一つとなります。 主人公はご当地ヒーローの運営会社でヒーローや怪人をデザインしていた。あるとき少年が誘拐される事件が発生したが、…

櫛木理宇 少年籠城

櫛木理宇 「少年籠城」櫛木さんの最新の作品が面白そうだったので買ってみました。 主人公は子ども食堂の主人。街の河原で児童の遺体が発見され、児童に性的暴行を繰り返していた少年が犯人として疑われていた。その少年は子分の子とともに追ってきた警官か…

霞流一 エフェクトラ

霞流一 「エフェクトラ」あらすじを読んで気になったので買ってみました。 主人公の探偵は名脇役と称される役者に依頼されて彼が作成した役者育成のリハーサルスタジオを訪れていた。この現場で名脇役のセレモニーを開催することとなり、それを祝うために何…

三日市零 復讐は合法的に

三日市零 「復讐は合法的に」あらすじを見て面白そうだったので買ってみました。 主人公の弁護士が法律の知識を使って合法的復讐の代行を請け負うミステリー短編集となります。このミス大賞2023年の隠し玉の一つとなっています。法律に沿わないからこそ法で…

夏川草介 勿忘草の咲く町で 安曇野診療記

夏川草介 「勿忘草の咲く町で 安曇野診療記」あらすじを読んで内容が気になったので買ってみました。 高齢者の地域医療を担っている病院に研修医の男性が配属される。高齢の患者ばかりを相手にするため若い研修医の未来のためにならないと受け入れを渋る中で…

逸木裕 世界の終わりのためのミステリ

逸木裕 「世界の終わりのためのミステリ」逸木さんの新刊が出ていたので買ってみました。 舞台は人間の意識と記憶を移植できるヒューマノイドが開発された世界。ある女性型ヒューマノイドが目覚めると人類は消失しており、数少ないヒューマノイドだけが活動…

小川哲 君のクイズ

小川哲 「君のクイズ」以前から気になっていた小川さんの作品を読んでみました。 主人公は競技クイズプレイヤーでクイズ番組の決勝戦に出場していた。勝者が決まる最後の問題にて対戦相手は問題文が読まれる前に正解言い当てて優勝してしまう。同大会の出場…

早坂吝 〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件

早坂吝 「〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件」前に読んだ早坂さんの本で知り合いに紹介してもらった作品があったので読んでみました。 主人公の男性はブログで知り合った仲間が所有する孤島で開催されるオフ会に参加していた。ブログの持ち主が無断で恋人の女子高生…

千早茜 赤い月の香り

千早茜 「赤い月の香り」「透明な夜の香り」の続編が出ていたので買ってみました。 主人公の男性は調香師である男性からの誘いで彼の館で働くこととなった。彼は優れた嗅覚を持っており、過去の思い出の香りなど依頼人からオーダーされた香りを作り上げる仕…

桃野雑派 老虎残夢

桃野雑派 「老虎残夢」以前桃野さんの 「星くずの殺人」が面白かったので他の作品を読んでみました。こちらは第67回江戸川乱歩賞となった作品です。 主人公は武術の達人を師とする女性。あるとき師が奥義を授ける相手として3人の達人を館に呼んだ。3人のいず…

小林由香 この限りある世界で

小林由香 「この限りある世界で」小林さんの新刊が出ていたので買ってみました。 ある女性編集者が新人文学賞へある作家の作品を強く推薦した結果、その作品が受賞することとなった。しかしその後新人賞を受賞できなかったことを理由に他の候補作品の筆者で…