花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

感動系

小西マサテル 名探偵じゃなくても

小西マサテル 「名探偵じゃなくても」「名探偵のままでいて」が面白かったので続編であるこちらを読んでみました。 レビー小体型認知症である主人公の祖父が孫娘から持ち込まれる事件を聞くと幻視でその出来事を見たかのように真相を推理するという安楽椅子…

桂望実 残された人が編む物語

桂望実 「残された人が編む物語」明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。新年一冊目は気になってはいたけど後回しにし続けていた作品を読んでみました。 行方不明者捜索協会という民間企業に勤めるスタッフと依頼者で行方不明者を追…

宇佐美まこと 熟れた月

宇佐美まこと 「熟れた月」宇佐美さんの新刊が出ていたので買ってみました。 闇金融の女社長、借金まみれで落ちぶれた取り立て屋の男性、貧しい家庭で育った陸上部の高校生、といった何人かの主人公の視点で物語が進みます。すべての主人公に共通しているの…

遠田潤子 ドライブインまほろば

遠田潤子 「ドライブインまほろば」遠田さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の少年は母の再婚相手を殺害してしまう。血のつながった子である自分よりも夫の味方となった母に絶望し、義父の双子の兄に殺されないために妹を連れて逃げることとな…

織守きょうや 記憶屋

織守きょうや 「記憶屋」織守さんの作品ではこれが面白いと聞いて読んでみました。 主人公の大学生は「記憶屋」という都市伝説の怪人を調べていた。その怪人は忘れたい記憶を消してくれるというもので特に恐怖もないただの都市伝説とされているが、主人公は…

村山由佳 嘘 Love Lies

村山由佳 「嘘 Love Lies」あらすじが気になったので読んでみました。 主人公の男性はネグレクトな家庭で育ったが、中学生になりようやく親しい友人たちが出来た。あるときそのうちの一人の女子が不審者から暴行を受け、知り合いの暴力団の男に頼み犯人を見…

山田宗樹 きっと誰かが祈ってる

山田宗樹 「きっと誰かが祈ってる」今年のGWは順調に読書が進んでいます山田さんの作品で気になるものを見つけたので読んでみました。 主人公は乳児院にて実親と暮らせない2歳までの子供たちの母親役「マザー」を担っていた。里親が決まったときの別れは辛い…

遠田潤子 銀花の蔵

遠田潤子 「銀花の蔵」遠田さんの一番新しい作品を読んでみました。 あるとき主人公の父親が実家の醤油蔵を継ぐことになった。その蔵には座敷童が住んでおり当主に相応しい人物にのみ見えるとされていたが、父ではなくで血のつながっていない主人公が座敷童…

遠田潤子 雪の鉄樹

遠田潤子 「雪の鉄樹」以前遠田さんの作品がよかったので別の作品を読んでみました。 主人公は庭師の男性。彼は過去に起きた事件の償いとして一人の少年の世話役を赤子のときからしていた。しかし少年の祖母からは奴隷のような扱いをされていて周囲からも憐…

まさきとしか 大人になれない

まさきとしか 「大人になれない」概要を読んで気になったため読んでみました。 母親に捨てられた小学生が親戚の家で暮らすことになった。その家には無職の中年、引きこもり、毒親など早熟な少年から見ると生きている価値を感じられない人々ばかりであった。…

きみの友だち 重松清

「きみの友だち」 重松清以前コミュニティで紹介されているのを見て買ってみました。 メインの人物である足の不自由な女性の周りで起きた友達関係にまつわるエピソードの短編集です。突然現れた転校生に対抗する男の子、常に周りから孤立しないように気を配…

朝井リョウ 星やどりの声

朝井リョウ 「星やどりの声」朝井さんの作品でこれがおススメだと教えてもらったので読んでみました。 喫茶店「星やどり」を経営する7人家族がいた。早くに亡くなった父の残した店をみんな好いていたが、それぞれに悩みを抱えており徐々にすれ違いが生じ始め…

宮下奈都 羊と鋼の森

宮下奈都 「羊と鋼の森」いつか読もう、と思っていた話題品に手を出しました。 主人公は調律師の青年。学校のピアノを調整しに来た調律師の仕事を見て調律師を目指すことを決めて村を出ていく。調律師として仕事を始めて間もなく、ある双子がいる家の調律に…

天童荒太 悼む人

天童荒太 「悼む人」結構前に映画化した作品。主人公は旅をする青年。人が亡くなった場所に行って「その人は誰に愛されて、愛していたでしょうか。どんなことをして誰に感謝されていましたか」と聞き、そのことを胸に祈りをささげて悼むことからネット上で「…