花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

2019-01-01から1年間の記事一覧

東野圭吾 恋のゴンドラ

東野圭吾 「恋のゴンドラ」何も考えずに読めるものと思い買ってみました。 スキー場上を舞台にした恋愛模様を描いた短編集です。男性がだらしないことで起こる出来事がメインで書かれているので、恋愛小説ではなくて楽しみながら読めるエンターテイメント系…

芦沢央 カインは言わなかった

芦沢央 「カインは言わなかった」お久しぶりです。色々ありまして読むのに一か月かかってしまいました あるダンス公演で主演を務める予定の男性が公演直前に失踪してしまう。彼は失踪前に恋人に主役を出来なくなったと伝えていたが、団体側は主役交代はない…

一本木透 だから殺せなかった

一本木透 「だから殺せなかった」諸事情があって間が空いてしまいました。コミュニティで紹介されていた作品です。 主人公の新聞記者は過去に恋人の父親の不正を暴いてしまったことで未来の家族を失ったと後悔していた。新聞の企画でそのことを書いたとき、…

春口裕子 イジ女

春口裕子 「イジ女」タイトルが気になって読んでみました。 様々な「イジ~な女」を描いた短編集です。イジ悪な女、イジっぱりな女など多種多様な女性が出てきます。タイトルが今話題の「いじめ」なのですが、イジめをする女は最後の章にだけ出てきます。こ…

朝井リョウ どうしても生きている

朝井リョウ 「どうしても生きている」朝井さんの新刊が出ていたので読んでみました。 「苦しくても生きている」をテーマにした短編集です。自分より下の人を見て安心したり、人を裏切ったり、周りのせいにして逃げたり、など褒められることではないのは分か…

柚月裕子 盤上の向日葵

柚月裕子 「盤上の向日葵」読もうと思って先延ばしになっていた作品。 ある山中で白骨化した遺体が発見される。その遺体は価値の高い将棋の名駒と一緒に埋められていたため、駒の持ち主を手掛かりに捜査を進める。一方で世間は将棋ブームであり、異例のルー…

宇佐美まこと 少女たちは夜歩く

宇佐美まこと 「少女たちは夜歩く」久しぶりに宇佐美さんの作品を読んでみました。 真ん中に山城のある街を舞台に起こる奇妙な出来事を描いた短編集です。ファンタジーとリアルのホラーが半々といった内容なのですが中途半端な感じがしてあまり楽しめません…

南杏子 サイレントブレス 看取りのカルテ

南杏子 「サイレントブレス 看取りのカルテ」コミュニティで紹介されていて気になった作品。 在宅医療を専門とするクリニックに異動した女医が自宅での最後を希望する患者たちと向き合うお話です。それぞれの患者の隠された事情を解き明かしていくミステリー…

柚月裕子 慈雨

柚月裕子 「慈雨」色んなところで評価が高かったので読んでみました。 主人公は定年退職した警察官。今まで関わった事件の被害者を思って遍路の巡礼を始めた。その途中で自分が16年前に担当した少女誘拐殺人事件と似た事件の捜査が行われていることを後輩の…

下村敦史 絶声

下村敦史 「絶声」本屋で見つけて気になった作品。 主人公の男性は莫大な遺産を持つ父の死を待っていた。父は失踪しており、あと1時間ほどで失踪宣告が成立して法律上で死と認定されるという状況であった。彼の姉と兄も金に困窮していたため父の死による遺産…

中山七里 恩讐の鎮魂曲

中山七里 「恩讐の鎮魂曲」今回は貰いものです。 弁護士の御子柴は自分が過去に犯罪をしていることが露呈してしまったために依頼が減っていた。そんな中で、少年院で世話になった教官が殺人の罪で逮捕される。御子柴が弁護をすることになったが、教官は有罪…

東野圭吾 希望の糸

東野圭吾 「希望の糸」新刊が出ているのを見かけて買ってみました。 主人公の刑事は喫茶店を経営している女性が殺害された事件を捜査していた。その最中に死んだとされていていた父親が生きており、危篤状態であると知らされる。一方で娘と二人暮らしをして…

きみの友だち 重松清

「きみの友だち」 重松清以前コミュニティで紹介されているのを見て買ってみました。 メインの人物である足の不自由な女性の周りで起きた友達関係にまつわるエピソードの短編集です。突然現れた転校生に対抗する男の子、常に周りから孤立しないように気を配…

辻村深月 傲慢と善良

辻村深月 「傲慢と善良」コミュニティで見てからずっと気になっていた作品。 主人公の女性が自宅に戻ると以前からうろついてたストーカーが自宅内にいるのを見つける。恐怖のあまりに逃げる先を探して恋人に助けを求める。一方恋人の男性は彼女がストーカー…

柚木裕子 最後の証人

柚木裕子 「最後の証人」今回は貰いものを読んでみました。 主人公は弁護士。ホテルで起きた不倫の末の刺殺事件の被告人の弁護を依頼される。提示されている証拠から被告人が犯人であることはほぼ確実であった。一方で息子を交通事故で亡くした夫婦がいた。…

芦沢央 いつかの人質

芦沢央 「いつかの人質」本屋さんのコーナーで見つけて買ってみました。 キッズパークに来ていた少女が誘拐される事件が発生し、後に保護されるがそのときの怪我で失明してしまう。それから12年後、その少女はライブ会場で再び誘拐される。その一方で漫画家…

櫛木理宇 少女葬

櫛木理宇 「少女葬」以前紹介されているのを見て気になっていたので読んでみました。 二人の家出少女が不法なシェアハウスで暮らしていた。同部屋だったこともあり互いに仲良くしようとしていたが、片方の少女はリンチの果てに死亡し遺体の画像をSNSに流され…

まさきとしか ゆりかごに聞く

まさきとしか 「ゆりかごに聞く」本屋さんで目にして気になったので買ってみました。 主人公は女性新聞記者。彼女は結婚し娘がいたが自分本位に接しすぎたせいで夫から母親失格を言い渡されて娘から引き離されてしまう。あるとき21年前に死んだはずの父親が…

朝井リョウ 星やどりの声

朝井リョウ 「星やどりの声」朝井さんの作品でこれがおススメだと教えてもらったので読んでみました。 喫茶店「星やどり」を経営する7人家族がいた。早くに亡くなった父の残した店をみんな好いていたが、それぞれに悩みを抱えており徐々にすれ違いが生じ始め…

薬丸岳 「蒼色の大地」

薬丸岳 「蒼色の大地」薬丸さんの新刊が出ていたので買ってみました。 明治時代に青い目を持った人間たちは「青鬼」と呼ばれて差別の対象となっていた。青い目を持つある青年が罪人の流れ着く島で海賊として暮らしており、その島では青い目を持つものは高い…

若竹七海 殺人鬼がもう一人

若竹七海 「殺人鬼がもう一人」amazonで本を探していたら目に留まった作品。 ミステリーの短編集となっています。同じ町を舞台にしていくつかの事件に緩い感じの主人公の刑事が関わるという内容になっています。 この作品を一言で言うならすべてが中途半端。…

朝井リョウ 死にがいを求めて生きているの

朝井リョウ 「死にがいを求めて生きているの」GW2冊目、本屋で見かけてタイトルが気になって買ってみました。ハードカバーで450ページほどもある作品でした。 ある病院に植物状態になった智也とその見舞いに毎日やってくる雄介がいた。献身的に見守る雄介は…

中山七里 贖罪の奏鳴曲

中山七里 「贖罪の奏鳴曲」GW一冊目はもらいものから。 主人公の御子柴は殺人の罪で少年院にいた過去があった。高額の報酬と引き換えにあらゆる手段で勝ちを取る弁護士として有名だった彼は高額の保険金をかけられた夫の生命維持装置を停止させたとして罪に…

長岡弘樹 白衣の嘘

長岡弘樹 「白衣の嘘」タイトルが気になって買ってみました。著者の名前に見覚えがあるのでどこかで読んだかもしれない。 医療ミステリーの短編集となっています。各章で出てくる出来事の真相を探るという内容です。ミステリーとしてみるとかなりうまくまと…

秋吉理香子 放課後に死者は戻る

秋吉理香子 「放課後に死者は戻る」秋吉さんの作品で評価高めなのを選んでみました。 主人公は高校生の少年。誰かからの手紙で呼び出され、崖から落とされてしまう。目が覚めてみるとそのとき一緒に落ちてしまった別の少年と体が入れ替わってしまっていた。…

大門剛明 「テミスの求刑」

大門剛明 「テミスの求刑」こちらも貰いもの。人からもらうと自分では買わない本がまわってくるのでいい機会だと思っています。 主人公は検察事務官の女性。自身の父親を殺害した罪で刑務所にいた男性が獄中で自殺していたことを知る。また獄中からの手紙で…

移設のご挨拶

はじめまして、ハナと申します。 amebaから移設してこちらでブログを書くことにしました。 このブログでは私が読んだ本の感想や考えたことを載せています。 一番の目的は自分が読んだ本の内容を忘れないための備忘録で、そのついでにちょっとでも作品を知る…

柚月裕子 ウツボカズラの甘い息

柚月裕子 「ウツボカズラの甘い息」今回は人からの貰いものです。この作品は色んなところで紹介されているのを見たことがあります。 日頃の忙しさで女性としての磨きを一切しなくなっていた女性はあるとき中学の元同級生と出会う。中学時代は美少女だった自…

知念実希人 崩れる脳を抱きしめて

知念実希人 「崩れる脳を抱きしめて」本好きのコミュニティで何度も見かけた作品。著者の作品は読んだことあるので買ってみました。主人公は研修医者。研修で訪れた療養型病院で脳に深刻な腫瘍を持つ余命数か月の女性と出会う。父親の失踪の謎を解き明かして…

小林由香 救いの森

小林由香 「救いの森」小林さんの新刊が出ていたので買ってきました。 主人公は児童救命士という仕事をしている。子供たちはライフバンドというリストバンドを付けており、それを使うと児童救命士がいつでも駆けつけてくれる世界。呼び出してくる理由は様々…