花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

白井智之 死体の汁を啜れ

白井智之 「死体の汁を啜れ」白井さんの作品で面白そうなものを見つけたので読んでみました。 どの事件も遺体に猟奇的な特徴がありしがない推理作家が真相を探るという短編集になっています。猟奇殺人のはずなのですが作品の雰囲気が全体的にコミカルに出来…

500冊分の書評を振り返ってみて

投稿した書評の数が500冊になりました。書評書き始めてからおよそ10年で500冊まで来れたので、節目かなと思い今までの投稿全部を振り返ってみました(1000冊を節目にするとさらに10年後になっちゃうので…) 最初は備忘録にする予定だったので感想を数行書くだ…

遠田潤子 人でなしの櫻

遠田潤子 「人でなしの櫻」遠田さんの新しめの作品が面白そうだったので読んでみました。 主人公の日本画家が絶縁していた父の家に行くと、父は死亡しており家の中には一人の女性がいた。その女性は8歳の時から拉致、監禁されており、10年以上も彼に洗脳され…

窪美澄 他 黒い結婚 白い結婚

窪美澄 他 「黒い結婚 白い結婚」先日結婚関連の作品の書評を上げたときに知り合いに薦めてもらった作品を読んでみました。 結婚をテーマにした7人の作家さんによる短編集となります。実際は結婚には困難が多いとみんな分かっているけど、それでも幸せになる…

染井為人 鎮魂

染井為人 「鎮魂」染井さんの新刊が出ていたので買ってみました。 かつて世間を騒がせた半グレ集団のメンバーが殺害される事件が発生した。過去に多くの犯罪をしていた組織だったために犯人を称賛しもっと殺害することを望む声が多く集まっており捜査関係者…

烏丸尚奇 呪いと殺しは飯のタネ 伝記作家・烏丸尚奇の調査録

烏丸尚奇 「呪いと殺しは飯のタネ 伝記作家・烏丸尚奇の調査録」このミス大賞2022の隠し玉という触れ込みが気になって買ってみました。 主人公の伝記作家としてそれなりに売れていたが完全オリジナルの作品を描かせてくれない現状が不満であった。そんな彼に…

中江有里 残り物には、過去がある

中江有里 「残り物には、過去がある」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 会社社長の男性と契約社員の女性の披露宴が行われていた。歳の差もあり地位も大きく違うことから周囲からは「玉の輿」「お金目当て」という陰口も少なくなかった。…

阿津川辰海 入れ子細工の夜

阿津川辰海 入れ子細工の夜短編集ですが阿津川さんの新刊が出ていたので買ってみました。 4つの話からなるミステリー短編集です。短編でありながらも一つ一つの謎はかなり上手く作られています。短編なので真相を見てから前を読み返すのも簡単なので謎解き感…

浅倉秋成 俺ではない炎上

浅倉秋成 「俺ではない炎上」浅倉さんの新刊が出ていたので買ってみました。 Twitterに殺人現場をアップされているのが拡散され、そのアカウントの投稿からある建設会社の男性のアカウントであると特定される。彼自身はアカウントを持っていないため何者かが…

澤村伊智 邪教の子

澤村伊智「邪教の子」澤村さんの作品で気になるものがあったので読んでみました。 あるニュータウンに新興宗教に属する一家が引っ越してきた。その家の母親は住民を勧誘したり病気で歩くことのできない娘を利用して住民から寄付金を回収したりしていた。その…

佐野広美 わたしが消える

佐野広美 「わたしが消える」「誰かがこの町で」が面白かったので佐野さんの別の作品を読んでみました。 元刑事の男性は軽度の認知障碍と診断されてショックを受けていた。あるとき離れて暮らす娘から施設の前に置き去りにされた老人の身元を突き止めて欲し…

五十嵐貴久 マーダーハウス

五十嵐貴久 「マーダーハウス」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 主人公の女子大生がシェアハウスに入居することとなった。そこの設備は素晴らしく、入居している男女はいずれも美男美女揃いでありテレビドラマで見たシェアハウスとも遜…

佐野広美 誰かがこの町で

佐野広美 「誰かがこの町で」書店で見かけて気になったので買ってみました。 主人公の男性は自分を捨てた両親を探して欲しいという依頼人のためにある高級住宅街へ向かいこととなった。事前の調査で一家はその街で失踪していると判明していたのだが、住民に…

小橋隆一郎 AIドクターロボットⅡ

小橋隆一郎 「AIドクターロボットⅡ」「AIドクターロボット」が面白かったので続編を読んでみました。 舞台である認知症治療院ではAIドクターロボットが勤務しており、ロボットと人を交えての意見交換会も開催されていた。AIドクターロボットの発展は目覚まし…

櫛木理宇 残酷依存症

櫛木理宇 「残酷依存症」櫛木さんの新刊が出ていたので買ってみました。 男子大学生3人がサークルの借家にて何者かに監禁される。犯人から互いを攻撃し合うことを要求されその様子は犯人によって動画サイトにアップされているという残虐さであったが、それを…

澤村伊智 うるはしみにくし あなたのともだち

澤村伊智 「うるはしみにくしあなたのともだち」澤村さんの作品で気になるものを見つけたので読んでみました ある高校にて女子生徒の自殺が発生する。その生徒はクラスでNo1の美人と評されていたため、多くの生徒や知人たちが悲しんでいた。生徒たちの尽力も…

宮西真冬 誰かが見ている

宮西真冬 「誰かが見ている」あらすじを読んで気になったので読んでみました。 主人公の女性は思い通りにならない我が子が自分の子供ではないと感じており向き合うことが出来ずにいた。保育園からも子の問題行動が原因で疎まれており、周囲から見下されてい…

宇佐美まこと 熟れた月

宇佐美まこと 「熟れた月」宇佐美さんの新刊が出ていたので買ってみました。 闇金融の女社長、借金まみれで落ちぶれた取り立て屋の男性、貧しい家庭で育った陸上部の高校生、といった何人かの主人公の視点で物語が進みます。すべての主人公に共通しているの…

長江俊和 掲載禁止

長江俊和 「掲載禁止」長江さんの出版禁止シリーズが良かったので別の作品を読んでみました。 こちらは出版禁止シリーズとは異なり短編集となります。登場人物たちには謎が仕掛けられていて、その真相が最後に明らかになるというのが各章の流れになります。…

薬丸岳 刑事弁護人

薬丸岳 「刑事弁護人」薬丸さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性弁護士は女性警察官が通っていたホストの男性を殺害した事件の加害者の弁護を担当することになった。同じ事務所の男性弁護士とあたることになったが、加害者自身が主張内容…

鴨崎暖炉 密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック

鴨崎暖炉 「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」書店で見かけて面白そうだったので買ってみました。 殺害に使われた密室が解けなかったために被疑者に犯行が不可能として無罪となる判例が出た。それにより密室殺人を成功させれば罪にならないとして…

遠田潤子 ドライブインまほろば

遠田潤子 「ドライブインまほろば」遠田さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の少年は母の再婚相手を殺害してしまう。血のつながった子である自分よりも夫の味方となった母に絶望し、義父の双子の兄に殺されないために妹を連れて逃げることとな…

篠田節子 鏡の背面

篠田節子 「鏡の背面」コミュニティで薦められていたので読んでみました。 何らかの依存症によって生活が成り立たなくなった女性たちが支えあって暮らす施設で火災が発生し、施設のリーダーの女性が死亡した。皆から慕われていた彼女であったが、遺体を調べ…

長江俊和 出版禁止

長江俊和 「出版禁止」出版禁止シリーズの最初の作品を読んでみました。 あるライターの書いた原稿。その内容はドキュメンタリー作家とその愛人が心中し、愛人だけが生き残った事件について本人にインタビューしたというものであった。不倫の末の愛による心…

城山真一 看守の流儀

城山真一 「看守の流儀」あらすじを見て題材が珍しかったので読んでみました。 主人公たちは刑務所に勤める刑務官。行動が制限されている刑務所では受刑者同士や看守との人間関係が更生度合いに影響すると言っても良い環境であった。受刑者のケアをどうして…

矢樹純 妻は忘れない

矢樹純 「妻は忘れない」矢樹さんの作品で気になるものを見つけたので読んでみました。 家庭の秘密をテーマに描いた短編集です。家族の一人が秘密を抱えており、それが元で不穏な出来事が起き始めその真相を母親が探るというのが各章の流れとなっています。…

新津きよみ 妻の罪状

新津きよみ 「妻の罪状」あらすじを見て気になったので読んでみました。 近年高齢者を中心に問題となっている社会問題を女性視点で描いた短編集です。老々介護、8050問題、終活、など各章で一つの社会問題をテーマにしたミステリーが描かれています。読んで…

小橋隆一郎 AIロボットドクター

小橋隆一郎 「AIロボットドクター」あらすじを見て面白そうだったので読んでみました。 舞台は2030年頃の日本、認知症の医療現場ではAIロボットによる回復プログラムが行われていた。AIプログラムの学習能力の発展は目覚ましく、いつか人類を超えて支配する…

下村敦史 悲願花

下村敦史 「悲願花」下村さんの作品で題材が面白そうなものを見つけたので読んでみました。 主人公の女性の両親は一家心中を図り、彼女だけが生き残った。月日が経ち両親の墓参りをしたときに一家心中で子供を死なせて自分は生き残ったシングルマザーと出会…

長江俊和 出版禁止 死刑囚の歌

長江俊和 「出版禁止 死刑囚の歌」実は今週から2週間のお休みをもらっています。オミクロンもあって気が抜けないので本でも読んでようかな、という次第です。以前読んだ「出版禁止 いやしの村滞在記」が面白かったので別の作品を読んでみました。 幼い姉弟が…