花の本棚

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織守きょうや 悲鳴だけ聞こえない

織守きょうや 「悲鳴だけ聞こえない」
気になっていたけど去年結局読まなかった作品三つ目を読んでみました。去年読まなかった作品群はこれで最後になります。

 



 
新人弁護士と先輩弁護士が主人公の短編集でシリーズ物の第三弾です。各章は破産手続き、遺言状作成、無料相談会など一見よくある弁護士の案件になっているけど、それぞれが複雑な背景を持っておりそれを明らかにしていくという内容です。前作では依頼人の方が何かを隠しているという種のミステリーだったのですが、本作は案件の調査を通して依頼人が見えていない真実を弁護士側が探っていくというお話です。そういった点で前作とちゃんと差別化がされているところが面白い点で、シリーズものではありますが内容のつながりもないので前作を読んでいなくても楽しめます。
また内容は弁護士のお仕事をベースとして書かれており、それぞれについて弁護士がどういったことを考えているかが描かれているので読んでいるだけでも勉強になります。覚えておくとその案件で弁護士にお世話になる時が来たら参考になるかもしれませんね。
 
内容は軽めにできているので、サクッと読みたいときにおススメです。
後ろに回してそのまま忘れ去る…がないように今年の読書方針は気になったらすぐ読む、にしようと思います。