2018-01-01から1年間の記事一覧
秋吉理香子 「ガラスの殺意」本屋で見かけて気になったので買ってみました。 ある女性がかつて両親を殺した通り魔を刺殺したと自ら警察に通報した。しかし彼女は事故が原因で記憶障害を患っており、自分が刺殺したことどころか通報したことも覚えていなかっ…
犬塚理人 「人間狩り」他のブロガーさんの紹介を見て買ってみました。 カード会社で返済の催促を担当する女性は「ネット自警団」と呼ばれる悪行を晒上げるサイトにハマっていた。初めて自分の投稿した動画を発端に当事者の男が逮捕されたのをきっかけに、サ…
芦沢央 「悪いものが、来ませんように」前に読んだ「罪の余白」が良かったので別の作品を読んでみました。 紗英は夫の浮気と子供が出来ないことに日々悩んでいた。彼女と親しい奈津子は子供はいるものの母親や夫、ボランティア仲間とはうまくいっておらず、…
宮部みゆき 「希望荘」杉村シリーズの新刊が出ているのを見かけたので、その前の作品に当たるものの書評を掘り起こしてきました。 杉村シリーズの第4刊であり「ペテロの葬列」の後の話です。主人公杉村三郎が仕事を辞めてから私立探偵事務所を開業するまでに…
米澤穂信 「折れた竜骨」今回は知り合いからの貰いものです。 主人公は諸島を統治する領主の娘。領主である父の元に騎士とその従者が訪れてきて暗殺騎士と呼ばれる魔術師が命を狙っていると告げる。領主はそれとは別にデーン人という呪われた人間が襲来して…
東野圭吾 「沈黙のパレード」ガリレオシリーズの最新刊が出ていたので買ってきました。このシリーズ好きなんです。 3年前に行方不明になった女性の遺体が火事になった家の焼け跡から発見される。遺体を隠した容疑者はかつて徹底して黙秘することで殺害事件を…
綾辻行人 「どんどん橋、落ちた」本屋さんに行ったら新装改訂版が出ていたので買ってみました。綾辻さんの名作、という評判は前から聞いていました。 読者に向けての挑戦状として書かれた5つのミステリー短編集です。各章は問題編をまず読み、その後推理して…
押川剛 「子供の死を祈る親たち」前作の「子供を殺してくださいという親たち」がインパクト強かったので、その続きになる本書を買ってきました。 著者は「精神障がい者移送サービス」を請け負う民間企業の方です。これは家族でも手に負えなくなった精神疾患…
貫井徳郎 「女が死んでいる」貫井さんの作品は最近つまらないものが多いので、これでつまらなかったらもう読むのやめるつもりで買いました。「どんでん返し8連発!」と称するミステリー短編集です。はっきり言って、つまらなかった。8つのうち7つの結末は到…
市川憂人 「グラスバードは還らない」「~~ない」シリーズの第三作目が出ていました。このシリーズは推理するのが楽しいので好きです。 主人公たちは違法な生物輸入をしている容疑のかかった人物を探るために住まいのある高層タワーに来ていた。最上階の住…
芦沢央 「罪の余白」本屋で平積みされているのを見つけて買ってみました。 主人公の娘が学校で転落死した。自殺とみられるがそれほどまでに思い詰める何かがあるとは思えず、本当の理由を探り始める。一方で自殺へと追いやった女子生徒はそのことが世間にば…
帚木蓬生 「安楽病棟」あらすじが気になって買ってみました。医療ミステリーになるんですかね。 様々な経緯で病棟に入ってくる老人たちが暮らす病棟が舞台。どの患者も認知症の症状を持っているが、次々と不可解な急死が起きる。認知症患者とどう向き合うべ…
中山七里 "連続殺人鬼カエル男ふたたび"カエル男の続編を買ってきました。気になってはいたけど後回しだったんですよね。 「カエル男連続殺人事件」から月日が経った後の話。事件を担当した精神科医が自宅にて体ごと爆破されて死亡する。現場にはかつての事…
深木章子 「鬼畜の家」深木さんの作品の中で評価が高めの作品を選んでみました。 主人公は私立探偵。依頼人から母と兄の事故死が自殺なのではと疑われて保険金が支払われないと調査を依頼される。亡くなった家族の関係者に聞き込みをしているうちに、死亡し…
皆川博子 「開かせていただき光栄です」最近の「このミステリーがすごい」があてにならないなら昔の選ばれた作品を、ということで買ってみました。2012年にランクインした作品です。 舞台は18世紀ロンドン。外科医は解剖学の研究のために墓荒らしから遺体を…
恩田陸 「月の裏側」友人の薦めで買ってみました。 主人公は堀の張り巡らされた都市にやってきた。この都市で3件の失踪事件が起きており、被害者は数日後に戻ってきてその間の記憶がないという共通点があった。被害者たちはいずれも失踪に対して恐怖感を持っ…
中山七里 「七色の毒」今回は二冊並行読みにしてみました。前の「護られなかった者たちへ」と一緒に読んでいました。 これはミステリー短編集になります。最初と最後の章だけつながっていますが基本はそれぞれ別の話になっています。全体を通して「人間の悪…
中山七里 「護られなかった者たちへ」前から気になっていた作品に手を出してみました。 主人公は刑事。福祉事務所の課長が手足を拘束された状態で餓死しているのが発見される。被害者は仕事、プライベートともに自覚者として知られていたこともあり、捜査は…
先日Twitterにて 島谷浩幸 「ミュータンスミュータント」をおススメされました。 調べてみるとこの本、かなり印象が悪い。Twitter上で「今学校で流行ってる!」と女子高校生らしきアカウントから執拗なオススメDMが送られているようです。実はこの本は自費出…
村上春樹 「TVピープル」どこまで村上ワールドに入っていけるかチャレンジもいよいよ大詰めです。今回は短編集になっています。それぞれの章で不思議な現象が起きており、それを体感した人物たちの物語を書いています。直近で読んだ作品に比べるとメルヘン色…
くろきすがや 「感染領域」今回は貰いもの。このミステリーがすごい!の大賞に選出された作品。 主人公は植物病理学者の男性。かつての恋人と一緒にトマトの実以外まで赤くなって枯れてしまう病気を調査していた。病気が拡大する中で、友人から偶然生まれた…
伊岡瞬 「乙霧村の七人」たまにはホラー系ミステリーもいいかと思い、ちょっと気になっていた作品を買ってみました。 主人公は女子大学生。サークルの旅行で人里離れた集落へ向かっていた。その集落では22年前に一家5人が惨殺され、犯人も死亡するという事件…
麻見和史 「沈黙する女たち」タイトルが気になって買ってみました。 主人公はTV局取材班の女性。元刑事の男性を新たな部下として迎え、コンビを組んで仕事をすることになる。あるとき廃屋で女性の全裸死体が発見される。調査を進めると、公開されていないは…
東野圭吾 「人魚の眠る家」これの単行本が出ているのを先日見かけたので、新刊読んだときに書いた書評を出してみます。主人公は脳科学の研究者である夫とその妻。ある日娘がプールで溺れて意識不明となり、今後意識が戻る見込みはないと宣告される。臓器提供…
秋吉理香子 「鏡じかけの夢」三連休は暑くて、あまり外出せずに本を読んでいました。帯の「清々しいまでのバッドエンド」という文句に惹かれて買ってみました。 磨くと願いが叶うという魔鏡をめぐる短編集です。秋吉さんといえばイヤミスなのですが、今回は…
村上春樹 「ダンスダンスダンス」羊をめぐる冒険の内容を忘れないうちに読んでおきました。「羊をめぐる冒険」から4年、主人公は友人たちを失って無気力な生活を送っていた。今の状態から抜け出すためにキキに会うべくすべての始まりである「いるかホテル」…
雫井脩介 「犯人に告ぐ」この本の続編がいつの間にか出ていたので前作の書評を掘り出してきました。 主人公は過去に誘拐事件の捜査に失敗し、記者会見でメディアに喧嘩売った警察官。連続児童殺人事件が起きたが一向に操作が進まないため、テレビのニュース…
米澤穂信 「満願」今回は貰いもの。結構話題になった作品だったと思います。 短編集でここまで話題になることってそうそうないというイメージなので期待してました。読んでみた感じは、オーソドックスな短編集でした。短編同士も繋がりはないです。あっと驚…
中山七里 セイレーンの懺悔読む本が特に思いつかないと中山さんの作品に戻ってきます。主人公はテレビ局の若手女性レポーター。他局に先駆けたスクープを狙っていると殺害された後に顔を焼かれた女子高生が発見される。先輩とともに取材をしていると彼女はい…
下村敦史 「黙過」本屋に行ってみたら下村さんの新刊があったので買ってみました。生命をテーマにした各場面のミステリーを読み解く話。全5作のミステリーの短編集、に見せかけた医療ミステリー寄りの長編作品です。どういうことなのかを書いてしまうとネタ…