花の本棚

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水野学 センスは知識からはじまる

水野学 「センスは知識からはじまる」
仕事に役立ちそうな書籍を探していて面白そうな本を見つけたので読んでみました。本当は思考や直感をもっと言語化するにはどうしたらいいか、について手助けになりそうな書籍を探していたのですが(笑)

 



 
著者は熊本県の公式キャラクター「くまもん」を手掛けた方です。「センス」と聞くと生まれつき、あるいは幼少から英才教育することで身に着くものを想像する人が多いでしょう。そういった分類の「センス」もありますが、「センス」とは本来誰でも持っているものであり、磨くこともできると主張しているのが本書の内容となります。大項目は以下
大項目:
・「センス」の定義とは
・「センス」が必要とされる理由
・「センス」はどのような仕組みで発揮されるのか
・「センス」の磨き方
読んでみると「センス」とはそもそも何なのか?どういった思考をしているのかが論理的に分かりやすく解説されています。「センスとは数値化出来ないものを最適化することである」と定義されていて、その最適化は知識によって行われていると主張していました。例えば製品をどんなカラーリングにするか、を決めるという話になったとして「センス無いから」と才能のせいにするのではなく配色の仕方や製品を置く場所の周りには何がどういったものが置かれるかを知識で知っていれば決められる、ということです。あらためて主張されると確かにその通りだなと納得してしまいました。
またセンスと学校教育にまつわる話もありますので、子育てしている親御さんたちであれば将来我が子がセンスの良い子になれるように手助けできそうです。
ちなみに私が本書を買ってみたのは、もしセンスが知識で磨けるのだとしたら才能を何も持ってない私でもそれっぽいものに近づけるかもしれない、という淡い期待をしていたからです。もしかしたら自分もセンスを磨けるかも!という前向きな気持ちになれましたので、読んでみて良かったかなと思っています。
 
作中にて自分が好きな分野の知識は集めやすく吸収しやすいのでまずは物事をその分野に強引につなげてセンスを発揮すると良い、と書かれていました。私が好きな分野を使ってセンスを発揮できそうなのは何かと考えてみると、「何かを文章化する」であれば発揮できる(している)気がします。
文章化については職場でドキュメントにまとめたり説明文書を作ったりするときに使えそうです。文章の要点をまとめる上手さはそれこそ数値化できない物事なので「センス」が発揮できている気がします。それとセンスではないのですが作った文章を人に見せて色々と指摘される恥ずかしさが同僚達にはあるようです。公に書評を出すことに慣れ切っている成果がこんなところにも出ていました。以前読んだ別の本にネット上に文章を残す社会になったからこそ文字を読んだり書いたりする力が必要になってきている、なんて話が書かれていたので私のセンスが役立つ場面も今後あるかもしれませんね。
 
センスへの見方が変わる面白いことがたくさん書かれていたので、気になる方は読んでみてください。たまには衝動買いもしてみるのも良いですね。