花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

安藤広大 とにかく仕組み化

安藤広大 「とにかく仕組み化」
私の職場で課題になっていることに対して役立ちそうな内容だったので買ってみました。
 


チームの業務やルールを仕組み化することが現代では重要だと説いています。「仕組み化」は明文化したり、誰でもやり方が分かるようにしたりすることを指しており、対義語は「属人化」だと本書には描かれていました。つまり本書は属人化を解消するために仕組み化を進めるにあたっての考え方を紹介しています。私のチームの課題はまさにこの「属人化」だったので買ってみた次第です。
大項目と一言でのまとめは以下となります。
①放っておくと属人化してしまう理由
 端的に言うと属人化は個人にとってのメリットが非常に大きいから。だからこそマネージャーやリーダーはチームのメリットを得るために個人のメリットを破壊する強い意志を持って仕組み化を進めなくてはいけない
 属人化による個人メリット:
 承認欲求が満たされる、新しい事をしなくて良い、失敗して恥をかくリスクが減る、業務割り振りが楽(マネージャー/リーダー視点)、etc.
②仕組み化のために必要なこと
 正しい「危機感」をチームに持たせることが最重要。「〇〇の業務を今期仕組み化(≒属人化解消)が出来なかったら降格」くらいの気概がチームの雰囲気にあっても良いとのこと。
 次に大事なのは平等さ。明文化されていないルールがあると人によってやる/やらなくていいという不平等が生じる(ありがちな例:気づいた人がやる、業務配慮の人はやらなくていい)。それを明文化することも仕組み化には必要。
③個人と組織について
 現代では個の価値観や事情を配慮するのがトレンドであるが、組織として仕組み化を進めるときに個人のことは不平等につながるため配慮しない方が良い
 
といった内容になります。かなり手厳しいことが書かれていますが内容としてはためになる考え方が紹介されていました。本書では考え方が主に書かれているため、仕組み化するための具体的な手段については紹介されていません。本書によると属人化してしまう原因は言うなれば「組織人としての生活習慣」であることがほとんどのようです。そう考えると上に書いた「危機感を持たせる」は「健康診断の結果がヤバ過ぎたので生活習慣見直す」のような効果はありそうだと納得していました。
 
本書では今後の業務をこうしてみよう、というためになる考え方がたくさん出てきていました。全部紹介すると長くなるので最初にやってみようと決めた2つを紹介します。特に2.の方の自虐ネタは言う人を以前から嫌悪していたので自戒を込めてまずやります。
1. 属人化解消することを目標設定面談で宣言してみる
ちょうど目標設定の時期なので自分の業務のどれかを自分以外の人も出来るようにすることを目標設定面談で言ってみる(=やるしかない危機感を作る)。達成したら評価加点にしてもらえるようになったらベスト
2. 勉強や改善をしていないことを自虐ネタにしない
「〇〇が苦手ですみません」「〇〇のことを勉強もせずに意見するのは申し訳ないですが」のような自虐ネタや前置きを言っていると勉強/改善しないことを良しとする空気になりやすいと書かれていました。恥ずかしさを打ち消すためについ出てしまったら、もう一回同じネタを言わないように勉強する。
 
抽象度の高い話でありながらもためになる考え方がたくさん紹介されているので、気になる方はチェックしてみてください。