鴨崎暖炉 「密室狂乱時代の殺人 絶海の孤島と七つのトリック」
前作の「密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック」が面白かったので新刊の続編を買ってみました。
密室殺人を破られなければ罪にならないと判例が出たことで密室による殺人が頻発していた。そんな中で密室探偵として有名な者たちが孤島の屋敷に招待されて、密室トリックを競い合うゲームをすることとなった。招待された客の中には密室殺人の火付けとなった判例を出した裁判官とその被告がそろっているという因縁の場にもなっていた。ゲームをしている最中で本物の密室殺人が起きてしまい、その犯人は「密室全覧」と名乗る密室殺人犯であったというお話。
密室トリックを解くことをメインに置いたミステリーとなります。
本作の感想を一言でいうとこちらは面白くないので読まなくていいです。
前作を読んだときはその世界観の目新しさが面白かったのですが、本作は続編なので前作を読んでいる私にはそこで面白さは出ない状態でした。そうなると密室トリックが面白いかに掛かってくることになったのですが、ほぼすべてのトリックが強引すぎて面白さは一切ありません。密室トリックを解くことがメインにあるはずなのに7つもあるせいで進行を早めるために探偵役が一瞬で解いてしまうので、読者は置いてきぼり状態になりやすい。また自力で解こうにも前述の進行の都合で現場やトリックに使う材料にとなる情報が描写不足となっているのでそれもままなりません。
そして肝心の密室トリックの内容もかなり雑です。その方法だったらこういう証拠が現場に残るから主役の探偵しか気づかないなんてありえないだろう、と推理する気を無くしていた私がパッと考えても思いつく程度のものでしかありません。
前作を読んでいたら今作は読まなくていいですし、今作を読むくらいなら前作を読んだ方が良いので今作は読まなくていいです。
続編出すのが苦しい感じではなかったので2作目でシリーズが早々につまらなくなってしまったのは残念ですが、そういうこともあるでしょう。