花の本棚

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久住四季 星読島に星は流れた

久住四季 「星読島に星は流れた」
久住さんの作品で面白そうなものがあったので買ってみました。

 



 
主人公のものとある島への招待状が届く。その島は数年に一度隕石が落ちてくるという奇跡の島であり、しかも招待された客が滞在している間に隕石が落ちた場合は客の一人に隕石を譲渡するということから話題になっていた。何度も同じ島に隕石が落ちるなど捏造では?と疑問に思っているうちに、本当に隕石が落下してきて回収することに成功する。翌朝になると回収した隕石がなくなっており、招待客の一人が殺害されているのが発見される、というお話。
 
星をテーマにしたミステリー作品となります。
物語の描き方が非常に上手いという印象でした。星をテーマにしているせいか場面ごとの描写が綺麗で、主人公たちがなぜ隕石を求める理由を語るところは感動的でした。人によってはミステリーよりもこちらが見所になるかもしれません。「地球最後の日に何をするか」と聞かれた場面で主人公が「普段と変わらず過ごす」と語ったことで、自分の日常は常に地球最後の日なのだと気づくとシーンは個人的には良い場面だと思っています。自分なら最後の日でなくなると信じていつも通りに過ごすと答える、と考えていたので・・・私もこの主人公のように毎日が最後の日なのかもしれませんね(笑)
ミステリーとしてみると二転三転する展開があるため読んでいて面白いです。ただ、深い謎があるわけではないので自分で推理する必要はなく、物語を面白くするためにあるという認識で良いです。
 
非常に読みやすくてライトにできているため、気楽に読みたいときにおすすめです。