花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

ホラー

芦沢央 嘘と隣人

芦沢央 「嘘と隣人」芦沢さんの新しめな作品を買ってみました 主人公である引退した警察官が妻の友人や隣人などから持ち掛けられた相談事を解決していくというミステリー短編集。各章が持ち掛けられた相談事と一対一になっており、いずれもちょっとした生活…

北沢陶 をんごく

北沢陶 「をんごく」以前読んだ「骨を喰む真珠」が面白かったので、北沢さんの別の作品を読んでみました。 舞台は大正時代末期、主人公の画家は亡くした妻に未練があった。そこで評判の巫女に頼んで妻を降霊してもらうことにしたのだが失敗し、彼女から妻の…

鈴木光司 ユビキタス

鈴木光司 「ユビキタス」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。なぜ「リング」が比較に出されているのかと思ったら、この方が著者だったのですね。 探偵の女性は依頼人の夫婦から孫の行方を探って欲しいと依頼される。彼らの娘は新興宗教団体…

櫛木理宇 逃亡犯とゆびきり

櫛木理宇 「逃亡犯とゆびきり」櫛木さんの作品で気になってはいたけど後回しにしていた作品をようやく読みました。 主人公の女性ライターは女子中学生が墜落死した過去の事件を調べていた。SNSに夢中だったのにスマフォが見つからなかったことと遺書の文章が…

星川渉 ヴンダーカンマー

星川渉 「ヴンダーカンマー」以前読んだ「私の死体を探してください」が面白かったので星川さんの別の作品を読んでみました。 ある高校の旧校舎で女子学生が殺害された。その状況は過去に起きた女子学生が死亡した事件と酷似していた。殺害された女子学生が…

矢樹純 血腐れ

矢樹純 「血腐れ」矢樹さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は弟家族と一緒にキャンプに来ていた。実は弟とその妻が最近不仲になっていると母から聞かされており、キャンプ中の弟はどこか落ち着かない様子であった。キャンプしている地域…

新名智 虚魚

新名智 「虚魚」以前読んだ「あさとほ」が面白かったので新名さんの別の作品を読んでみました。 主人公の怪談師の女性は体験したら人が死ぬ怪談を探していた。両親が亡くなった事故を起こした男性をその怪談を使って殺害したいという歪んだ目的のためにそう…

新名智 あさとほ

新名智 「あさとほ」あらすじを読んで気になったので読んでみました。 主人公の女性には双子の妹がいた。幼い頃に幼馴染と一緒に訪れた廃屋の中で妹が消失した瞬間を目撃し、次の瞬間から両親も含めて自分に妹は存在しないことになっていた。妹のことを覚え…

乾緑郎 彼女をそこから出してはいけない

乾緑郎 「彼女をそこから出してはいけない」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 主人公の女性は注目を集めている画家の取材をしていた。彼の故郷を再現した作品を観ると真ん中に少女が描かれており、それが迫ってきて目の間に現れるような…

神津凛子 オイサメサン

神津凛子 「オイサメサン」神津さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は小学生のころから霊が視えるようになった。特に赤い服の女性の霊をよく見かけ、霊への対策として「オイサメサン」の指輪という祖母からもらった魔除けを身に着けて暮…

染井為人 黒い糸

染井為人 「黒い糸」染井さんの新刊が出ていたのでさっそく買ってみました。8月末に気になる新刊がいくつか出てきたので新刊の投稿が続きそうです。 結婚相談所に勤めるシングルマザーの女性は怒りのあまり会員とトラブルを起こしてしまう。その会員から恨み…

詠坂雄二 5A73

詠坂雄二 「5A73」先日アメトークで紹介されていたと知人から教えてもらった作品を読んでみました。 二人の刑事の元に不審な連続自殺の捜査依頼が来ていた。遺体には「暃」という文字が描かれたタトゥーシールが貼られていたのだが、この文字はJISコード上に…

長江俊和 恋愛禁止

長江俊和 「恋愛禁止」長江さんの新しい文庫本が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は高校生の頃から交際していた当時の担任に別れた後も付きまとわれた末に殺害してしまう。逮捕を覚悟していたが警察どころか彼が殺害されたことすらニュースなどに…

矢樹純 夫の骨

矢樹純 「夫の骨」以前読んだ「マザー・マーダー」が面白かったので別の作品も読んでみました。 家族の隠し事から起こる疑心暗鬼をテーマにした短編集です。子との血のつながりの偽造、死の偽造など不倫ですら生温く見えるほど暗いものを抱えた家族関係を描…

矢樹純 マザー・マーダー

矢樹純 「マザー・マーダー」他のブロガーの方が紹介されているのを見て気になったので読んでみました。 異様なまでに息子を溺愛する母親がいた。話によればその息子は中学生の頃から引きこもりで年齢はとうに30を超えていることもあり、息子のために周囲と…

澤村伊智 怖ガラセ屋サン

澤村伊智 「怖ガラセ屋サン」知り合いに教えてもらって読んでみた作品です。 「怖ガラセ屋サン」と呼ばれる都市伝説の怪談があった。依頼すると怖ガラセ屋サンが対象に深い恐怖を与え、その結果発狂したり消息不明になったりするという。本作は「怖ガラセ屋…

西馬舜人 ヴァーチャル霊能者K

西馬舜人 「ヴァーチャル霊能者K」あらすじを見て題材が面白そうだったので読んでみました。 主人公は大学の論文の題材とするために人気ヴァーチャルアイドルのパーティーイベントにやって来ていた。ファンとの交流の様子を見ていてもヴァーチャルと思えない…

神津凛子 黙認

神津凛子 「黙認」神津さんの新刊が出ていたので読んでみました。 ある男性がコーヒーショップの店員に一目惚れして交際を始める。彼は幼い頃から社長である母親から虐待とも言えるほど厳しい教育を受けており、愛情を知らない自分が彼女を幸せにできるか不…

宇佐美まこと 少女たちは夜歩く

宇佐美まこと 「少女たちは夜歩く」久しぶりに宇佐美さんの作品を読んでみました。 真ん中に山城のある街を舞台に起こる奇妙な出来事を描いた短編集です。ファンタジーとリアルのホラーが半々といった内容なのですが中途半端な感じがしてあまり楽しめません…

深木章子 鬼畜の家

深木章子 「鬼畜の家」深木さんの作品の中で評価が高めの作品を選んでみました。 主人公は私立探偵。依頼人から母と兄の事故死が自殺なのではと疑われて保険金が支払われないと調査を依頼される。亡くなった家族の関係者に聞き込みをしているうちに、死亡し…

宇佐美まこと 虹色の童話

宇佐美まこと 「虹色の童話」以前読んだ「愚者の毒」が良かったので別の作品を読んでみました。 主人公の女性は「レインボーハイツ」という古びたマンションを度々訪れていた。入居者も少なく、どの住人も荒んだ生活を送っていた。その中に育児放棄されて保…