花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

2024-01-01から1年間の記事一覧

遠藤かたる 推しの殺人

遠藤かたる 「推しの殺人」第22回『このミス』大賞・文庫グランプリを受賞した作品になったこちらを読んでみました。 主人公は地下アイドルとして活動する女性。コロナの影響によりどの事務所も経営が厳しく、メンバーたちは汚れ役のような接待もしなくては…

岡崎琢磨 鏡の国

岡崎琢磨 「鏡の国」書店で平積みされていたのが気になったので買ってみました。 亡くなった大物作家が残した遺稿「鏡の国」が発見された。デビュー前に完成させたこの作品は自身の経験を書いたノンフィクションであり、それを死の目前に修正したものであっ…

杉井光 世界でいちばん透きとおった物語

杉井光 「世界でいちばん透きとおった物語」昨年の話題になって気になっていた作品を買ってみました。 主人公の男性は有名ミステリ作家の隠し子であった。産まれてから一度も父には会ったことがなかったが、あるとき父が亡くなったと彼の正式な息子から知ら…

長崎尚志 人狩人

長崎尚志 「人狩人」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 主人公の女性刑事は驚異の検挙率を誇る刑事と組むこととなった。しかし彼は汚職に手を染めることで検挙していると疑われているために、彼女の役割は捜査に同行しつつ彼を監視するこ…

司拓也 嫌われずに「言い返す」技術

司拓也 「嫌われずに「言い返す」技術」職場の人間関係について今の上司に相談したところもっと言い返すようにした方が良い、とアドバイスをもらったのでこちらを買ってみました。 パワハラというほどではないけど言われると腹が立つ相手に対して「人間関係…

白川尚史 ファラオの密室

白川尚史 「ファラオの密室」このミス大賞受賞作品とのことで気になったため買ってみました。 主人公である古代エジプトの神官は死亡して冥界に旅立とうとしていたが、心臓が欠けていたために神の審判を受けられなかった。欠けた部分を探すためにミイラとし…

阿津川辰海 黄土館の殺人

阿津川辰海 「黄土館の殺人」阿津川さんの館シリーズの新刊が出ていたので買ってみました。 山奥に「荒土館」という芸術家一族が集まる屋敷があった。その当主を殺害しに向かっていた男性は道が寸断された道にて向こう側にいた女性と交換殺人を持ち掛けられ…

小西マサテル 名探偵じゃなくても

小西マサテル 「名探偵じゃなくても」「名探偵のままでいて」が面白かったので続編であるこちらを読んでみました。 レビー小体型認知症である主人公の祖父が孫娘から持ち込まれる事件を聞くと幻視でその出来事を見たかのように真相を推理するという安楽椅子…

方丈貴恵 孤島の来訪者

方丈貴恵 「孤島の来訪者」本作が「時空旅行者の砂時計」の続きにあたるということで読んでみました。 主人公の男性は幼馴染を死に追いやった人物に復讐するために、番組制作会社のロケに同行していた。ロケで訪れた無人島には秘祭の伝承が残されており、今…

櫛木理宇 監禁依存症

櫛木理宇 「監禁依存症」櫛木さんの新しめの作品を買ってみました。発売した時から気になってはいたけど後回しになっていました。 性犯罪の加害者側の弁護をすることで有名な弁護士がいた。被害者側を責め立てて心を折ることで示談に持ち込む手口で悪名高か…

山本渉 任せるコツ

山本渉 「任せるコツ」通勤に使っている電車の広告にこちらが紹介されていて、私の仕事での悩みとマッチしていたので買ってみました。 リーダーが部下に仕事を任せるにあたってどういったことを考え、実行するのが良いかを書いています。本書の中ではいかに…

織守きょうや キスに煙

織守きょうや 「キスに煙」織守さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公は引退した男性フィギュアスケーター。彼は現役の頃に表彰台を競っていた友人でありライバルだった男性に恋心を抱いており、まだ現役選手である彼を陰ながら応援していた。あ…

荻原麻里 人形島の殺人

荻原麻里 「人形島の殺人」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 主人公の幼馴染が突然姿を消した。残された手紙によると彼女は故郷の島へ帰っており、その一族は人形を使った呪術を引き継ぐ末裔とのこと。彼女の行方を追って島に来たところ…

岡本好貴 帆船軍艦の殺人

岡本好貴 「帆船軍艦の殺人」2023年の鮎川哲也賞の作品を読んでみました。受賞作が出たのは2年ぶりだそうです。鮎川賞はミステリー作品の新人賞という位置づけとなりますので毎回期待しながら読ませてもらっています。 舞台は十八世紀末の英国。主人公の男性…

柄刀一 或るスペイン岬の謎

柄刀一 「或るスペイン岬の謎」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 主人公の男性は恩人の娘と日本を旅していた。訪れたのは美術大学の学園祭で、毎年その大学では学生たちが趣向を凝らした方法で自分の芸術を表現することで有名であった。…

方丈貴恵 時空旅行者の砂時計

方丈貴恵 「時空旅行者の砂時計」以前読んだ「アミュレット・ホテル」が面白かったので方丈さんの別の作品を読んでみました。 主人公の男性は入院していた妻の様態が悪化して瀕死の状態にあった。その原因は彼女の祖先から続く「呪い」にあり、その発端であ…

雫井脩介 互換性の王子

雫井脩介 「互換性の王子」雫井さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の男性はとある会社の御曹司であった。あるとき酔い潰れて目を覚ますと別荘の地下室に監禁されていることに気が付く。監禁から半年後にようやく解放されるが、何者かが会社に…

市川哲也 あの魔女を殺せ

市川哲也 「あの魔女を殺せ」気になっていたけど去年読めなかった作品にさっそく手を付けてみました。 主人公の男性は世間で話題になっている三姉妹芸術家の新作発表の場である彼女らの屋敷に娘と共にやってきた。姉妹の三女が主人公に一目惚れしたことから…

神津凛子 わたしを永遠に眠らせて

神津凛子 「わたしを永遠に眠らせて」明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。神津さんの新刊が去年末に出ていたので買ってみました。 主人公の女性は再婚して男性側の家に入ることになった。しかし義母と義姉から苛めを受ける毎日とな…