花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

ミステリー

方丈貴恵 孤島の来訪者

方丈貴恵 「孤島の来訪者」本作が「時空旅行者の砂時計」の続きにあたるということで読んでみました。 主人公の男性は幼馴染を死に追いやった人物に復讐するために、番組制作会社のロケに同行していた。ロケで訪れた無人島には秘祭の伝承が残されており、今…

荻原麻里 人形島の殺人

荻原麻里 「人形島の殺人」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 主人公の幼馴染が突然姿を消した。残された手紙によると彼女は故郷の島へ帰っており、その一族は人形を使った呪術を引き継ぐ末裔とのこと。彼女の行方を追って島に来たところ…

岡本好貴 帆船軍艦の殺人

岡本好貴 「帆船軍艦の殺人」2023年の鮎川哲也賞の作品を読んでみました。受賞作が出たのは2年ぶりだそうです。鮎川賞はミステリー作品の新人賞という位置づけとなりますので毎回期待しながら読ませてもらっています。 舞台は十八世紀末の英国。主人公の男性…

柄刀一 或るスペイン岬の謎

柄刀一 「或るスペイン岬の謎」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 主人公の男性は恩人の娘と日本を旅していた。訪れたのは美術大学の学園祭で、毎年その大学では学生たちが趣向を凝らした方法で自分の芸術を表現することで有名であった。…

方丈貴恵 時空旅行者の砂時計

方丈貴恵 「時空旅行者の砂時計」以前読んだ「アミュレット・ホテル」が面白かったので方丈さんの別の作品を読んでみました。 主人公の男性は入院していた妻の様態が悪化して瀕死の状態にあった。その原因は彼女の祖先から続く「呪い」にあり、その発端であ…

市川哲也 あの魔女を殺せ

市川哲也 「あの魔女を殺せ」気になっていたけど去年読めなかった作品にさっそく手を付けてみました。 主人公の男性は世間で話題になっている三姉妹芸術家の新作発表の場である彼女らの屋敷に娘と共にやってきた。姉妹の三女が主人公に一目惚れしたことから…

神津凛子 わたしを永遠に眠らせて

神津凛子 「わたしを永遠に眠らせて」明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。神津さんの新刊が去年末に出ていたので買ってみました。 主人公の女性は再婚して男性側の家に入ることになった。しかし義母と義姉から苛めを受ける毎日とな…

荒木あかね ちぎれた鎖と光の切れ端

荒木あかね 「ちぎれた鎖と光の切れ端」以前読んだ「此の世の果ての殺人」が面白かったので荒木さんの新しめの作品を読んでみました。 主人公の男性は友人たちと孤島にやってきた。彼はこの友人たちを殺害して自分の先輩の仇を討とうと計画していた。しかし…

夕木春央 十戒

夕木春央 「十戒」昨年話題になった「方舟」の著者の新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は死んだ叔父が持っていた孤島をリゾート施設するための視察に父と一緒に同行していた。リゾート計画の関係者たちと島をまわってみると別荘には誰かが滞…

手代木正太郎 涜神館殺人事件

手代木正太郎 「涜神館殺人事件」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 主人公の女性は妖精と交信することが出来る霊能者として名が知れているが、その実態は手品で騙しているペテン師であった。あるとき「涜神館」という幽霊屋敷を所持して…

東野圭吾 あなたが誰かを殺した

東野圭吾 「あなたが誰かを殺した」加賀シリーズの新刊が出ていたので買ってみました ある別荘地にてパーティーをしていた団体のメンバーが次々と殺害される事件が発生した。犯人は逮捕され、死刑になるために誰でも良いから殺害したかったと供述しているが…

孫沁文 厳冬之棺

孫沁文 「厳冬之棺」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 湖のほとりに建つ屋敷の地下室にて遺体が発見された。その地下室は近日の大雨で出入口が水没しており密室状態であり、現場にはへその緒が残されていた。屋敷の主の一族は男性しか産…

敷島シキ 解剖探偵

敷島シキ 「解剖探偵」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 主人公の新人刑事には殺害された被害者の霊を見る能力があり、今見ている首吊り死体の現場にも霊がいることから自殺ではないと気づいていた。しかし現場の状況から自殺と判断され…

方丈貴恵 アミュレット・ホテル

方丈貴恵 「アミュレット・ホテル」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 「アミュレットホテル」は警察の介入がなく、ルームサービスとして武器や偽造品の配送、遺体の火葬などのサービスも提供してくれるため犯罪者にとって楽園のような人…

市川憂人 ヴァンプドッグは叫ばない

市川憂人 「ヴァンプドッグは叫ばない」市川さんの新刊が出ていたので買ってみました。「ジェリーフィッシュは凍らない」から続くシリーズの最新刊となります。 主人公の警部たちは強盗集団の行方を追っていたが、応援要請を受けて別の市に向かっていた。要…

染井為人 黒い糸

染井為人 「黒い糸」染井さんの新刊が出ていたのでさっそく買ってみました。8月末に気になる新刊がいくつか出てきたので新刊の投稿が続きそうです。 結婚相談所に勤めるシングルマザーの女性は怒りのあまり会員とトラブルを起こしてしまう。その会員から恨み…

おぎぬまX 爆ぜる怪人 殺人鬼はご当地ヒーロー

おぎぬまX 「爆ぜる怪人 殺人鬼はご当地ヒーロー」タイトルに惹かれて買ってみました。「このミス」大賞2023の隠し玉の一つとなります。 主人公はご当地ヒーローの運営会社でヒーローや怪人をデザインしていた。あるとき少年が誘拐される事件が発生したが、…

霞流一 エフェクトラ

霞流一 「エフェクトラ」あらすじを読んで気になったので買ってみました。 主人公の探偵は名脇役と称される役者に依頼されて彼が作成した役者育成のリハーサルスタジオを訪れていた。この現場で名脇役のセレモニーを開催することとなり、それを祝うために何…

三日市零 復讐は合法的に

三日市零 「復讐は合法的に」あらすじを見て面白そうだったので買ってみました。 主人公の弁護士が法律の知識を使って合法的復讐の代行を請け負うミステリー短編集となります。このミス大賞2023年の隠し玉の一つとなっています。法律に沿わないからこそ法で…

逸木裕 世界の終わりのためのミステリ

逸木裕 「世界の終わりのためのミステリ」逸木さんの新刊が出ていたので買ってみました。 舞台は人間の意識と記憶を移植できるヒューマノイドが開発された世界。ある女性型ヒューマノイドが目覚めると人類は消失しており、数少ないヒューマノイドだけが活動…

早坂吝 〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件

早坂吝 「〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件」前に読んだ早坂さんの本で知り合いに紹介してもらった作品があったので読んでみました。 主人公の男性はブログで知り合った仲間が所有する孤島で開催されるオフ会に参加していた。ブログの持ち主が無断で恋人の女子高生…

千早茜 赤い月の香り

千早茜 「赤い月の香り」「透明な夜の香り」の続編が出ていたので買ってみました。 主人公の男性は調香師である男性からの誘いで彼の館で働くこととなった。彼は優れた嗅覚を持っており、過去の思い出の香りなど依頼人からオーダーされた香りを作り上げる仕…

桃野雑派 老虎残夢

桃野雑派 「老虎残夢」以前桃野さんの 「星くずの殺人」が面白かったので他の作品を読んでみました。こちらは第67回江戸川乱歩賞となった作品です。 主人公は武術の達人を師とする女性。あるとき師が奥義を授ける相手として3人の達人を館に呼んだ。3人のいず…

早坂吝 しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人

早坂吝 「しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 しおかぜ市にて一家3人が殺害され金品を強奪される事件が発生する。犯人である男性は犯行に及ぶ前にその一家の父がわざと女性にぶつかったのを目…

夕木春央 方舟

夕木春央 「方舟」コミュニティでも話題になっていた作品を読んでみました。 主人公たちは山奥にある地下施設「方舟」で一晩明かすことになった。翌朝地震が発生したことで出入り口が岩で塞がってしまい、地下から水が施設内に流れ込み始めてしまう。脱出の…

真紀涼介 勿忘草をさがして

真紀涼介 「勿忘草をさがして」昨年の鮎川賞の作品が書籍化されたので読んでみました。今回は受賞作品がないため優秀賞の作品を書籍化したとのこと。鮎川賞はミステリー作品の新人賞という位置づけとなりますので毎回期待しながら読ませてもらっています。 …

桃野雑派 星くずの殺人

桃野雑派 「星くずの殺人」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 民間企業による宇宙旅行のモニターツアーが実施されることとなった。宇宙に設立されたホテルに到着したのだが、宇宙船の機長が無重力下で首を吊って死んでいるのが発見される…

久住四季 星読島に星は流れた

久住四季 「星読島に星は流れた」久住さんの作品で面白そうなものがあったので買ってみました。 主人公のものとある島への招待状が届く。その島は数年に一度隕石が落ちてくるという奇跡の島であり、しかも招待された客が滞在している間に隕石が落ちた場合は…

下村敦史 ガウディの遺言

下村敦史 「ガウディの遺言」下村さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は外出したまま帰ってこない父を探していると父の友人がサグラダファミリアの塔から吊るされて殺害されているのを発見してしまう。現場の状況からサグラダファミリア…

白井智之 名探偵のはらわた

白井智之 「名探偵のはらわた」以前読んだ「名探偵のいけにえ」が面白かったのでその前進にあたるこちらを読んでみました。 探偵の助手をしている主人公は放火事件の調査のために山奥の農村を訪れる。そこで起きた事件は探偵の推理により解決するが、その村…