花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

SF

方丈貴恵 時空旅行者の砂時計

方丈貴恵 「時空旅行者の砂時計」以前読んだ「アミュレット・ホテル」が面白かったので方丈さんの別の作品を読んでみました。 主人公の男性は入院していた妻の様態が悪化して瀕死の状態にあった。その原因は彼女の祖先から続く「呪い」にあり、その発端であ…

斜線堂有紀 本の背骨が最後に残る

SF

斜線堂有紀 「本の背骨が最後に残る」斜線堂さんの新刊が出ていたので買ってみました。気になる新刊がまた何冊か出てきてしまったので新刊の頻度がまた上がりそうです。 ある国には世間でいう紙などの「本」が存在せず、人に物語を語り聞かせる人間が「本」…

逸木裕 世界の終わりのためのミステリ

逸木裕 「世界の終わりのためのミステリ」逸木さんの新刊が出ていたので買ってみました。 舞台は人間の意識と記憶を移植できるヒューマノイドが開発された世界。ある女性型ヒューマノイドが目覚めると人類は消失しており、数少ないヒューマノイドだけが活動…

桃野雑派 星くずの殺人

桃野雑派 「星くずの殺人」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 民間企業による宇宙旅行のモニターツアーが実施されることとなった。宇宙に設立されたホテルに到着したのだが、宇宙船の機長が無重力下で首を吊って死んでいるのが発見される…

小川哲 ユートロニカのこちら側

SF

小川哲 「ユートロニカのこちら側」あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。 ある大企業により巨大な都市が建設された。そこは視覚などの五感や位置情報などすべての個人情報を企業に提供する代わりに何も不自由のない豊かな生活を保証してもら…

逸木裕 電気じかけのクジラは歌う

SF

逸木裕 「電気じかけのクジラは歌う」逸木さんの作品で気になる内容のものを見つけたので読んでみました。 人工知能アプリに好みの曲をインプットすることで自分好みの曲を作ってくれるようになったために作曲家がいなくなった近未来が舞台。主人公は元作曲…

山田悠介 サブスクの子と呼ばれて

SF

山田悠介 「サブスクの子と呼ばれて」あらすじを読んで気になったので読んで見ました。 様々なサービスがサブスク化する中で人間のサブスクサービスが認められた。サブスクでは子供がサービスを提供するのは違法とされているが、需要と単価が高いことから裏…

山田宗樹 存在しない時間の中で

SF

山田宗樹 「存在しない時間の中で」山田さんの作品の中で気になるものを見つけたので読んでみました。 あるとき数物研究機構から衝撃的な数式の論文が発表され、それは謎の人物が書き残したものであった。もし正しければこの宇宙のすべては遥か上の次元にい…

山田宗樹 人類滅亡小説

SF

山田宗樹 「人類滅亡小説」山田さんの新しめな作品を読んでみました。 空に赤い雲が浮かぶと人類が滅亡すると言われていた。その雲は微生物の集合体で、周囲の酸素を吸収してしまうことからそう伝えられていた。ある日、赤い雲が地表近くまで落下してその地…

高野和明 幽霊人命救助隊

SF

高野和明 「幽霊人命救助隊」最近読書がすすんでないので、昔の書評をご紹介。書き方が下手くそだったので再編しています。 主人公含め男女4人が断崖の上で神様と称する老人と出会う。4人とも自殺しており、命を粗末にした罰として幽霊となって下界に戻り自…

恩田陸 月の裏側

SF

恩田陸 「月の裏側」友人の薦めで買ってみました。 主人公は堀の張り巡らされた都市にやってきた。この都市で3件の失踪事件が起きており、被害者は数日後に戻ってきてその間の記憶がないという共通点があった。被害者たちはいずれも失踪に対して恐怖感を持っ…

村上春樹 TVピープル

SF

村上春樹 「TVピープル」どこまで村上ワールドに入っていけるかチャレンジもいよいよ大詰めです。今回は短編集になっています。それぞれの章で不思議な現象が起きており、それを体感した人物たちの物語を書いています。直近で読んだ作品に比べるとメルヘン色…

山田宗樹 ギフテッド

SF

山田宗樹 「ギフテッド」あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。 主人公の少年は通常の人間にはない未知の臓器を体内に持っていた。その臓器を持つ人たちには何かしらの特殊な能力があると発表されてから人類の進化系として期待されて「ギフテ…

村上春樹 羊をめぐる冒険

SF

村上春樹 「羊をめぐる冒険」村上春樹もちょいちょい読んでいます。この作品はファンタジー感が少ないと聞いて手に取りました。 北海道に旅立った友人から手紙が届く。手紙には一枚の羊の写真が同封されており、これを人目につくところに掲載して欲しいと頼…

山田宗樹 代体

SF

山田宗樹 「代体」前に同じ作者の「百年法」が私の中で大ヒットだったので買ってみました。舞台は近未来。人間の体から意識を取り出して人工的に作成した身体に転送する技術「代体」が普及した世界。問題はありつつもビジネスとして成立するほどになっていた…

ル=グウィン ゲド戦記1 影との戦い

SF

ル=グウィン 「ゲド戦記1 影との戦い」たまにはファンタジーもいいかと思って。最近テレビで映画を放送してたので読んでみました。少年ゲドは故郷で起きた事件から自身に不思議な力が備わっていること知る。それは魔法の素質であることが分かったため、本当…

山田宗樹 百年法

SF

山田宗樹 「百年法」読んだのはかなり前ですが、今まで読んだSF小説の中でもトップクラスの面白さだったので紹介します。原子爆弾を6つ落とされた日本は焦土と化し滅亡寸前になった。打開するために国は感染すると不老不死となるウィルスを用いた医療技術を…

大原省吾 計画感染

SF

大原省吾 「計画感染」読んだことのない作家。面白い本として紹介されていたのを目にして買ってみました。 ある飛行機の車内で団体客が次々と体調を崩していく。車内に居合わせた医者の見立てによるとインフルエンザと診断されるが、それは今までにない新型…

知念実希人 白銀の逃亡者

SF

知念実希人 「白銀の逃亡者」小休止がてら気に入った著者から軽く読める本を選んできました。 主人公は外科医。感染すると死亡率95%のウィルスが世間を脅かしていた。その病気は死亡せずに奇跡的に完治すると超人的な身体能力を持つようになることから生還者…

村田沙耶香 殺人出産

SF

村田沙耶香 「殺人出産」本のコミュニティで見つけた一冊。タイトルが気になったので。舞台は少子化が進んだために10人出産すれば1人好きな人を殺してよい、という殺人出産制度が制定されている日本。その制度に則り出産する人は「産み人」と呼ばれ社会への…