花の本棚

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山本大平 嫌な仕事のうまい断り方

山本大平 「嫌な仕事のうまい断り方」
自己啓発系も読んでみると良い、というアドバイスを上司からもらったので今回は自己啓発系の書籍となります。
最近業務割り当てに関する揉め事が何度かあったので、役に立つかなと思い買ってみました。

 



 
タイトルに反して断り方については触りに紹介されている程度で嫌な仕事とどう向き合うのが良いのかをメインに書いています。本書の出版は先月なので、いうなれば「嫌な仕事」に対しての現代における考え方のトレンドと言ってもいいでしょう。最近ではダイバーシティなどの浸透によって子育てや介護、持病に対して配慮されるようになりました。これらは嫌な仕事を断る上で強力な理由なのですが、私のようにどれも持っていない人々は配慮のために嫌な仕事を受け続けるしかないのか?と悩んでしまったためにこの本を買いました。
大項目としては
・嫌な仕事を摩擦なく断る方法
・「嫌な仕事」に見えてしまう理由
・嫌な仕事をやるメリットとは
・嫌な仕事をやっていると10年後どうなるか
となっています。
転社(職種が同じ違う会社に転職すること)が当たり前になっていることなど社会人の働き方も昔と変わってきていることから「嫌な仕事」の判断基準も変わってきています。なので昔であれば部下を想った業務割り振りでも嫌な仕事になることが多々あるのが現状とのこと。例えば「君の成長を考えてやらせたい仕事」という常套句とともに仕事を渡しても、会社を辞める前提なのでこの会社でしか役に立たない成長は不要と考えている人は「嫌な仕事」と見る、という具合です。そのため自分がどういう価値観で働いているかを周囲にちゃんと伝えるコミュニケーションを取ることが大事だ、と本書では語られていました。こうしてみると私の会社で数年前から始まった自身の価値観を上司に話す面談は非常に効果的になりそうです。
また嫌な仕事を受ける側の考え方を中心に書いていますが、仕事を振る側としても重要な仕事を「嫌な仕事」だと認識されないために気をつけることが書かれています。そういった点からリーダーやマネージャーの方々にも読むとためになることが書かれているだろうと見ています。
先日ある業務にて色々あった結果「お金をもらってもこの仕事をやりたくない」という断り方をチームメンバーにしてしまい、どう考えてもスマートな断り方ではありませんでした。上に書いた内容なので断り方が上手くなれたわけではありませんが、嫌な仕事へ向き合う姿勢は改善できそうです。
 
上に書いた「お金をもらってもこの仕事をやりたくない」という表現なのですが、それを聞いた先輩たちからインパクトの大きすぎる表現だと指摘を受けました。仕事に対してのやる気度の表現方法として私はよく使っていたので、そこまでインパクトがあるのは意外でした。ちなみにこれは「やりたくない仕事」で2番目に強い表現で、1番は「この仕事するなら死んだ方がマシ」です
「お金をもらっても」という表現を選んでいるのには理由があって、それは給料が会社員の弱点だからです。「給料もらっているんだからちゃんとやれ」という言い方を誰しも聞いたことはあるでしょう。私も新入社員のころこの言葉とともに𠮟咤されたことがあります。ところがダイバーシティなどの浸透によって「給料もらっている」よりも「子育てをしている」や「持病がある」の方が強力になりました。実際のパワーバランスでいうと「強力」どころか「無敵」と言っても差し支えないでしょう。
ではこの無敵のカードを持つ人たちが多くいる職場でどちらも持っていない私が対抗するためにはどうするかというと、お金を破棄すれば打ち破れると判断しました。上記の無敵の猛者たちが得ている育休や休職の権利は減額されながらも会社からお金をもらっています。ということは代償は多大ですがお金を破棄する行為は無敵の猛者たちにも対抗できるだろう、と判断して使うようになりました。当然ですが「なら給与返上しろ」や「解雇だ」と返答される前提で私は動いています。そう言われないだろうと高を括って強気な言動をするのはカッコ悪すぎるますので。
「上司や同僚は敵ではない」と本書には書いていたので「お金をもらってもこの仕事をやりたくない」という敵対心むき出しな言い方はしない方がいいのだろう、とあらためて認識しました。
 
今の社会人がどういった考え方をしているのかを知る意味でもためになると思いますので、気になる方はチェックしてみてください。