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司拓也 嫌われずに「言い返す」技術

司拓也 「嫌われずに「言い返す」技術」
職場の人間関係について今の上司に相談したところもっと言い返すようにした方が良い、とアドバイスをもらったのでこちらを買ってみました。
 


パワハラというほどではないけど言われると腹が立つ相手に対して「人間関係を壊さずに」言葉を返す考え方や言い方を紹介した書籍となります。
これまでの反論系の書籍では「論理的に打ち負かして二度と話しかけられないようにする」という「言った後に人間関係が破綻してOK」な相手、いわゆるハラスメントをしてくる人にフォーカスが当たっているものが多い傾向でした。これまでの時代背景的にそういった論破が流行っていたというのもありますが、現代の傾向を見ると「ハラスメントではないけど鬱陶しい物言い」に対して、言い返しつつもその後も仕事などの関係は今まで通り続けられるいい塩梅な言い方が必要な場面が増えている、というコンセプトで書かれています。ちなみに本書の出版は2024/2なので現代のトレンドを踏まえた内容と言えるでしょう。
 
大項目と一言でのまとめは以下となります
①言い返せない人が持っている行動心理
 まず自分の傾向がどれかを知って対策を立てましょうという章。
 私に当てはまりそうなのは「自分に問題があるのでは?」と最初に考えてしまう「自分責め症候群」タイプ
②話すのが面倒くさい人が使っている策略を知る
 ストローマン論法、フットインザドアなどひと昔前に流行った人を言いくるめてやらせるテクニックが紹介されている
 対策方法は③以降で
③人間関係を破綻させない言い返し方
 主に以下の3つ
 無力化:相手の言葉を全肯定→感謝する、で話をおわりにする
 カウンター:言ってきた側に具体的な説明を求める
 クッション:自分には悪いところがある、と先に受け入れておくと言われても動じなくなる
といった内容になります。
上に書いたように「人間関係を壊さずに」が重要なので紹介されている言い返しのパターンはそれほど語気強めなものはありませんでした。おおむね「感謝する」「説明を求める」「受け入れる→だから何?」の3つのどれかを使うというものでした。
本書の内容が私の会社で使えそうだと思う理由として、上に書いた「ハラスメントではないけど鬱陶しい物言い」を言ってくる人のパターンの一つに「職人気質でコミュニケーションが下手な人」が紹介されていたことです。これはまさに私の職場によくいるタイプでどう対処していいか悩むところだったのできっと紹介されている内容も役立つことでしょう。私の会社の場合パワハラしてくる人は通報窓口に報告するだけなので、むしろ対応が楽だと思います。
 
これまで私が書いた仕事で使えそうな書籍は会社でも同じ文章で伝えているのですが、それを見た上司から業務でどうしていきたいかも書いて欲しい、というリクエストをもらいました。せっかくなのでそれも書いてみましょう。

1. 「言ってきた側に具体的な説明を求める」を積極的に使う
「自分の事前調査が足りなかったかな」「考えが浅かったかな」と自分の中にまず原因を探る人間性をしているので、それをいったん止めて説明を求めるようにしてみるのは効果がありそうです。説明をもらった方がその後いつも通りに自分の中に原因を探るのもやりやすくなりそうです

2. 言い方に気を付ける
これまで私の言い返したときの言葉を振り返ると、「お金貰ってもやりたくありません」「〇〇さんと接点のある仕事は引き受けません」のような怒りのあまりに語気強めなフレーズが出る傾向にあります。色々と我慢した末こうなっている経緯もあるので1.を使って溜め込みすぎないようにしつつ、怒りがある状態では言葉を発する前に「席を立つ」などで一回踏み止まるようにしてみます。一回踏み止まった後に上のようなフレーズが出たらもう仕方ない。
 
今の時代にあったコミュニケーションスキルとしては有用ですので、気になる方はチェックしてみてください。