花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

2019-01-01から1年間の記事一覧

久坂部羊 祝葬

久坂部羊 「祝葬」久しぶりに久坂部さんの作品を買ってみました。 30代後半で亡くなった医者の男性は自分が近々死ぬことを暗示していた。彼によると彼の家系で医者になった男性はみな50過ぎという若さでみな変死しており、それは一族に伝わる呪いのせいだと…

宮下奈都 羊と鋼の森

宮下奈都 「羊と鋼の森」いつか読もう、と思っていた話題品に手を出しました。 主人公は調律師の青年。学校のピアノを調整しに来た調律師の仕事を見て調律師を目指すことを決めて村を出ていく。調律師として仕事を始めて間もなく、ある双子がいる家の調律に…

山田宗樹 人類滅亡小説

SF

山田宗樹 「人類滅亡小説」山田さんの新しめな作品を読んでみました。 空に赤い雲が浮かぶと人類が滅亡すると言われていた。その雲は微生物の集合体で、周囲の酸素を吸収してしまうことからそう伝えられていた。ある日、赤い雲が地表近くまで落下してその地…

芦沢央 許されようとは思いません

芦沢央 「許されようとは思いません」「火のないところに煙は」と一緒に買ってきた作品。 ミステリーの短編集となっていて、少しホラー要素も入っています。「火のないところに煙は」から間をあまり開けずに読んだせいか、あまり印象的な部分がありませんで…

中山七里 静おばあちゃんと要介護探偵

中山七里 「静おばあちゃんと要介護探偵」静おばあちゃんの続編が出ていました。 前作の「静おばあちゃんにおまかせ」よりも時系列は前のお話で、元判事のばあちゃんと現役で現場にいる車いすのおじいちゃんが事件を解決していく短編集です。前作ではおばあ…

芦沢央 火のないところに煙は

芦沢央 「火のないところに煙は」今日はお休みなので書評を書いてみました。先日の2019年本屋大賞ノミネート作にも選ばれた作品です。 怪談をテーマにした特集を作る、というストーリーで展開される怪奇現象をテーマにした短編集です。いくつかの怪談話を短…

麻見和史 ヴェサリウスの柩

麻見和史 「ヴェサリウスの柩」最近しばしば読んでいる麻見さんのデビュー作を買ってみました。 主人公は大学の医学研究室で助手をしている女性。学生たちと遺体を使った解剖実習を行っていると、中から人為的に残されたチューブが発見される。チューブを開…

高野和明 幽霊人命救助隊

SF

高野和明 「幽霊人命救助隊」最近読書がすすんでないので、昔の書評をご紹介。書き方が下手くそだったので再編しています。 主人公含め男女4人が断崖の上で神様と称する老人と出会う。4人とも自殺しており、命を粗末にした罰として幽霊となって下界に戻り自…

麻見和史 虚空の糸

麻見和史 「虚空の糸」冬休み三冊目。こちらもシリーズものです。 団地のマンションで遺体が発見される。自殺に見せかけられているが、残された刃物と傷がまったく合わない、血だまりがないなどあまりにバレバレな細工であった。その後犯人と名乗る人物から…

佐藤青南 セブンス・サイン

佐藤青南 「セブンス・サイン」明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。冬休みなので本をいくらか買い込んで読みふけっています。 河川敷にて餓死している男性の遺体が発見される。胃の中から漆が発見されたことから即身仏と目されたが…