井上真偽 その可能性はすでに考えた

井上真偽 「その可能性はすでに考えた」
井上さんの作品でこれの評判が高かったので買ってみました。

　
主人公の探偵の元に宗教団体が集団自殺した事件を調査する依頼が持ち込まれる。依頼人はその事件唯一の生き残りであり、彼女は首を落とされた少年に助け出されたと記憶しており、それが事件の真相かを調べて欲しいという依頼であった。
調査を終え、探偵はこの事件の真相は依頼人の言うように奇蹟であると報告しようとしたが、それに対して反論をして奇蹟の存在を否定しようとする人物たちが現れる、というお話。
　
一つの事件の真相を軸としたミステリー作品となっています。
各章で登場する人物たちが立てた事件の真相に対して、主人公がそれを否定していくという形式になっています。
先に感想を言うと、私には合わない作品でした。上で書いた構図で主人公の思慮深さを際立たせようとしているのはわかるのですが、「各章で登場する人物たちが立てた事件の真相」がいちゃもんレベルでしかないという印象でした。そういった突拍子もない仮説ですら否定できないようでは奇蹟とは認められない、というルールだと説明があったのでストーリーとしては成立していますが、読んでいて面白くはありませんでした。
主人公が次々現れる敵を圧倒して蹴散らす展開なのでなろう系小説としてなら良いのかもしれません。ただ、私はそういったものを期待していなかったので楽しめませんでした。
　
ライトノベルが好きな方であれば楽しめる作品になりそうなので、気になる方はチェックしてみてください。