桜井美奈 「私、死体と結婚します」
あらすじを見て面白そうだったので買ってみました。
主人公の女性が夜勤から帰宅すると、婚約者の男性が一酸化炭素中毒で死亡していた。居合わせた婚約者の友人は警察に通報しようとするが、彼女はそれを止めさせ遺体をそのままにして男性との婚姻届を出しにいくことを決める。通報を待つのは4日だけという条件で友人を承諾させ、その間に婚約者の遺品を調べ始める。
彼の仕事や出会う前のことなどについて何も知らなかったとあらためて痛感しつつも短い結婚生活を始める、というお話。
前半と後半で作風が異なるエンターテインメント系の作品になります。
先に全体通しての感想を書いておくと、期待していた内容と違っていて楽しめませんでした。
前半は傷心しつつも死んだ夫がどんな人物であったかを辿っていくという感動系のお話で、後半は婚約者がなぜ自分と結婚することを決めたのかを探っていくミステリー部分となります。
死んでいるにも関わらず夫と結婚した主人公に何か狙いがある、というミステリーを期待していたのですがそういった内容ではありませんでした。期待と違うのは仕方ないとしても、前半と後半のジャンルが違うせいでどっちつかずな作品になっています。全体で220ページしかないのに前後半でジャンルを変えたら、どう考えてもページ足りなくて両方浅くなりますよね。
これを読むくらいなら桜井さんの他の作品を読んだ方が良い、という点から本作はおススメしません。
