花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

山田宗樹 きっと誰かが祈ってる

山田宗樹 「きっと誰かが祈ってる」
今年のGWは順調に読書が進んでいます
山田さんの作品で気になるものを見つけたので読んでみました。
 

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主人公は乳児院にて実親と暮らせない2歳までの子供たちの母親役「マザー」を担っていた。里親が決まったときの別れは辛いが限られた期間で愛情を注ぐ日々であった。あるとき自分が最初にマザーを担当した子供のことが気になり調べてみると引きとった里親が事故で亡くなり、その親が引き取ったと知る。心配になり様子を見に行くとその子が万引きしている姿を目撃する、というお話。
 
子供への愛情をテーマにした作品です。山田さんは「百年法」などのSF系作品が有名ですがこちらはドキュメンタリー系となっています。
マザーが担当するのは2歳まででありたくさんの愛情を注いだでも子供たちの記憶に自身は残らない、という設定のため何とも割り切りがたい保育士たちの心境が描かれています。子供から忘れられてしまっても幸せをずっと祈っている姿はとても素敵で、担当した子供が施設を巣立っていくシーンは感動的で見所の一つとなっています。
 
お子さんがいらっしゃる方にはぜひこちらを読んでみていただきたいです。私とはまた違った視点で楽しめると思います。