花の本棚

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早坂吝 しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人

早坂吝 「しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人」
あらすじを読んで面白そうだったので買ってみました。

 



 
しおかぜ市にて一家3人が殺害され金品を強奪される事件が発生する。犯人である男性は犯行に及ぶ前にその一家の父がわざと女性にぶつかったのを目撃し、それに腹を立てて犯行におよんでいた。しかし彼にとってはこの事件を起こしたことは自身の人生を次のステップへ進むためのきっかけに過ぎなかった。
一方で名探偵を自称する女性がある迷路状の施設内で目を覚ます。そこには7人が監禁されており、施設の主によるとしおかぜ市の一家殺害事件を含めた6つの未解決事件の犯人をここに集めたとのこと。それぞれに武器が与えられ最後まで生き残った一人だけが脱出できるというゲームが始まり、次々と参加者が殺害されていく、というお話。
 
二つの事件がつながりを探るミステリー作品となります。
ミステリーとしてかなり上手く出来ています。「それが真相?なんだか納得いかない…」という違和感がそこかしこにちりばめられていて、それらがどうつながるかが徐々に明らかになっていく展開になっているので読んでいて面白いです。また仕掛けも凝っているのでその点も見所になるでしょう。その反面か、自力で推理しようとするとかなり難しいのでおススメしません。
あらすじだけで見ると重く暗い感じがしますが登場キャラクターや作品全体の雰囲気は軽めに作られています。なので気軽に手に取ってみて良いです。
 
気になる方はぜひチェックしてみてください。
早坂さんの作品を読んだのは初だったので、他の作品も読んでみようかと思います。