花の本棚

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小島正樹 怨み籠の密室

小島正樹 「怨み籠の密室」
あらすじを見て気になったので読んでみました。
 

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主人公の男性は生まれ故郷を離れて父と暮らしていた。あるとき父が死に病死したとされていた母が故郷で殺害されたと思われる言葉を残したために故郷を訪れるが、住民たちからまったく話を聞けなかった。その後村の工房にて首つり死体が発見されるが、その状況は完全な密室殺人であった。彼は知り合いの探偵に相談し、両親の過去を探りながら事件の謎を解くというお話。
 
探偵海老原シリーズの最新作です。このシリーズを読んだことなかったのですがいきなり最新刊を読んでしまいました。
内容は本格的な推理物です。密室の謎を解くだけではなく主人公の両親の過去のことも様々な伏線が作中に書かれていて、それらのつなげ方が非常に上手いです。自分で推理するのが好きな方はきっと楽しめると思います。
また閉鎖的な村だからこそ起きた家族による密室となっているため、物語として見てもいい作品でした。なので推理せずに読み進めていっても楽しめる作品となっています。
ちなみにシリーズの過去作を読んでいなくても問題がなさそうでした。他のシリーズ作品を読んでいない私から見ても、過去作を読んだ人にしか分からない描写は特に見当たらなかったのでご安心ください。
 
シリーズの他の作品も読んでみようかと思います。