花の本棚

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城山真一 看守の信念

城山真一 「看守の信念」
前作の看守の流儀が面白かったので続編を読んでみました。

 



 
刑務所を題材にしたミステリー短編集です。
刑務官の視点で物語が進むのは前作と同様です。前作は受刑者のケアにフォーカスが当たっていたため刑務所内の話が多かったのですが、今回は受刑者と外界のつながりがテーマになっているようでした。
受刑者を受け入れる就職先、外に残してきた未練など出所したあとにまっとうに生きるためにはどうすればいいか、と登場人物たちが考える姿は見所の一つだと思います。
ミステリーとしてみるとかなりうまく作られていると思います。今回は刑務所外の人物も絡んでくるため前作よりも伏線などの幅が広がっていることもあってミステリーに関してはより面白くなっているという印象でした。今作も最後に驚きの展開もあるため、最後まで飽きずに読めると思います。
 
最後に前作「看守の流儀」を読んでからこちらを読む方が楽しめます。具体的にどうつながっているかはネタバレになってしまうため書きませんが、気になる方は順番通りに読んでみてください。