花の本棚

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遠田潤子 雨の中の涙のように

遠田潤子 「雨の中の涙のように」
遠田さんの作品であらすじが気になった作品を読んでみました。
 

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高い人気を持つアイドルグループを脱退して役者の道を進んだ男性と出会うことで過去のしがらみと向き合い始めるという短編集になります。各章のメイン人物が上記の役者と出会う時期が異なり、最後の章でそれらの出会いを積み重ねた役者本人の心境が書かれています。
 
遠田さんの短編集は初めて読んだのですが、正直に言うと遠田さんの良さが薄れてしまっています。人物の描写の深さがなくなってしまっているため非常に勿体無い。各章の人物たちも時系列が離れていることもあって繋がりがなくぶつ切りになってしまいます。そういう悩みあるよねという共感があればよかったのですが、私にはどれも過去の経験に刺さるものではありませんでした。ただ、作品全体としてもう一捻りあればいい作品なりそうな気配はありました。
 
他の作品ほどおススメは出来ませんが、次の作品も期待しています。