長江俊和 「掲載禁止」
長江さんの出版禁止シリーズが良かったので別の作品を読んでみました。
こちらは出版禁止シリーズとは異なり短編集となります。
登場人物たちには謎が仕掛けられていて、その真相が最後に明らかになるというのが各章の流れになります。短編集なので仕掛けの規模は長編よりもコンパクトになっていますがどれも読み応えがありました。自分で推理せずとも展開が追える規模になっているので伏線を見逃さないように身構える必要がないので気軽に読めます。
章の一つにマナーの悪い人を懲らしめる「品格会」がSNSなどで話題になっているという設定の話が出てきました。
法に触れない悪人をやっつける時代劇のような話が好きなのは日本人の気質だと思っています。最近だとウィル・スミスが司会者を殴った話にて司会者が悪いと感じるのは日本人だけという分析が出ていたのも、たぶんこの気質のせいでしょう。私の意見としては賛同されるかよりもやりたいことをやればいいと思っています。上記のウィル・スミスの件でも司会者はあの場であれを言いたくなった、それを聞いたウィル・スミスは殴りたくなった、というそれぞれの人間性の話であって小難しい分析や理解は要らないでしょう。何か行動しようとするときにわざわざ周囲の理解があるかを確認する必要性を感じません。やりたいからやり、その後起こる事に責任を取る、これ以外に考える要素はないでしょう。単純なはずの現象を無駄に複雑化して知識人のように振舞うのはどうにも気に入りません。
ミステリーは好きだけど前のページに戻って伏線探したりするのはちょっと…という場合には丁度良いので、気になる方は気軽に手に取ってみてください。