花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

久住四季 異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき

久住四季 「異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき」
先日こちらのシリーズの2作目を読んで面白かったので1作目を買ってきました。

 

f:id:flower_bookmark:20210808234217j:plain



 
殺害後に内臓をすべて抜き取られる連続殺人事件が世間を騒がせていた。しかし捜査の手がかりが見つからず難航していたところに、主人公の女性刑事は怪物の異名を持つ未決の死刑囚となった犯罪心理学者にこの事件のプロファイリングをさせるように指示される。その学者は膨大な数の過去の事件を記憶しており、収容されながらも独自に研究を進めているという。
犯罪心理学者のプロファイリングを駆使して事件の真相を探るというお話。
 
シリーズ物の第1作目にあたるミステリー作品です。
犯罪心理学者によるプロファイリングを起点にして異質な事件の捜査の証拠探しや推理をしていく流れで話が進んでいきます。見所はやはりプロファイリングをして普通の人たちが見落とす部分を見抜くところでした。私は刑事物が苦手なのですがこういった特殊な捜査手法をする作品だと楽しめるので、同じように刑事物苦手な方でも読めるはずです。また展開がスピーディーに進むので堅苦しく構えなくても気軽に読めるのも良い点だと私は思います。
私は2作目→1作目と逆順に読むこととなりましたが、どちらから読んでも問題ないので気になる方から読んで良いです。順番を死守しないといけないほど次作とのつながりは強固ではありません。
 
作中のプロファイリングにてサイコパスのルーティンが崩れているときは必ず意味がある、という分析をしていました。サイコパスはルーティン通りに動くことに強いこだわりがあるから、と解説されていました。
サイコパスに限らず自分の周囲の人がどういう行動、言動をしやすいかはある程度把握しておくと役に立つと思っています。特に私の職場はその職業柄か自分のやり方に高いプライドを持っている方が多いので変な方向から刺激すると不貞腐れたり、怨みを買って攻撃される確率が高い。何の職業かは明言しませんが世間的には変人が多いと認識されている職でして、もしかしたらサイコパス気のある人が集まっているのかもしれませんね。
 
こちらのシリーズが楽しめたので久住さんの他の作品も読んでみようと思います。