花の本棚

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五十嵐貴久 マーダーハウス

五十嵐貴久 「マーダーハウス」
あらすじを読んで面白そうだったので読んでみました。

 



 
主人公の女子大生がシェアハウスに入居することとなった。そこの設備は素晴らしく、入居している男女はいずれも美男美女揃いでありテレビドラマで見たシェアハウスとも遜色ない雰囲気であった。あるとき同居人の一人が部活中に事故で亡くなったことをきっかけに徐々にシェアハウスでの生活に違和感を抱き始める、というお話。
 
こちらはホラーミステリーの作品となります。
メインである殺人鬼関連の描写が出てくるのがあまりに遅いため、楽しめるページ数が少ないです。プロローグで殺人鬼がちらつく描写があるのですが、実際に主人公がシェアハウスの違和感に向き合うのが中盤よりもっと後からでした。いつまでたっても本題が描かれないので本当にいるのか心配になりました。入居者が閉じ込められているわけではないので大っぴらに殺人鬼がいると出来ないのは分かりますが、主人公が違和感を見つける→気のせいか、という流れが多すぎて本題に入るのがあまりに遅い。間を持たせるためにシェアハウスでの生活や入居者間の恋愛などを描いていますが、それを読みたくて買ったわけじゃないので本題以上にページ数割かれても困ります。
メインのホラー部分に入ってからはそれまで「気のせいか」で済ませていた部分の真相が明らかになるので終盤だけは面白く読めます。
 
メインの部分が面白く描かれていただけにとても勿体無く感じる作品でした。