花の本棚

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鳥飼否宇 指切りパズル

鳥飼否宇 「指切りパズル」
あらすじを読んで気になったので読んでみました。鳥飼さんの作品を読むのは初です。
 

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主人公は動物園の警備員。ある時動物園にてアイドルグループがミニライブを開催したが、その一人が檻の動物に触れようとして指を噛み切られてしまう。園側の不注意の部分もあるため見舞いに行くが、その後動物の飼育員が同じ指を切り落とされる事件が発生する。その事件を皮切りに関係者が次々と指を切られる死傷事件が発生する、というお話。
 
推理することに重点を置いたミステリー作品です。
小さな事件がいくつも発生し、それらの犯人と繋がりを推理するのがメインとなります。物的な証拠から推理するというよりは各事件がどう繋がっていて、狙いは何なのかを全体的に把握した推理が必要になるので解き応えがあります。またおそらく作者が意図してやっているのだと思いますが、主人公が不自然なくらい思想にふけったりリアクションしたりして推理するヒントを出してくれています。そんな部分もあるためそこまで推理するつもりのない人でも楽しめる雰囲気に作られています。
 
推理しながら読むのが好きな方にはおススメの作品です。