花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

久住四季 異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 剥皮の獣

久住四季 「異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 剥皮の獣」
あらすじを読んで気になったシリーズものを見つけたので読んでみました。

 

f:id:flower_bookmark:20210731163634j:plain



 
主人公の女性刑事は異動先の課で厄介者として疎まれていた。ある事件で強盗犯二人組を追っている最中に、取り逃がした一人が潜伏先で首から上の皮膚を剥がされて殺害されていた。あまりに異様な事件であるために捜査は難航し、事件解決のために悪魔と称される犯罪心理学者に協力を取り付けようとする、というお話。
 
シリーズ物の第2作目にあたるミステリー作品です。
ミステリーとしてみると異常心理犯罪と題していますが軽めな内容になっています。多少グロテスクな描写があるくらいで、ページ数も240ページほどでありそこまで深いミステリーではないため気軽な気持ちで読んでOKです。
個人的に面白いと思ったのは心理学者が語るサイコパスによる犯罪の傾向を語っている部分です。彼らがどういった考えから異様な行動を起こしているのか、という語りは読んでいて興味深いところでした。ただ、この部分は全体からするとページ数は少ないのでもう少しあっても良かったかなと思います。
このシリーズに関しては第一作目から読んだ方がおそらく良いと思われます。犯罪心理学者との掛け合いは前作からの継続で、どういう経緯で主人公がこの学者と取引しているのかが分かりづらいです。そこはバックグラウンドであって本筋の部分ではないため本作から読むと楽しめないということはないですが、より楽しむなら一作目からの方が良いでしょう。
 
軽めのミステリーですのでサクッと読みたいときにおススメです。シリーズそのものに興味を持った方はまず一作目から読むとよいと思います。