似鳥鶏 「推理大戦」
あらすじを見て面白そうだったので読んでみました。
世界的に貴重な聖遺物を所持していた資産家がそれをかけて「知恵比べゲーム」を開催することとなった。各国の教会は聖遺物を獲得するために聖職者に扮した名探偵を派遣してくるが、その全員が高い推理力以外にも驚異的な特殊能力を持っていた。
北海道の宿泊所に一同が集まった翌日、開催側の人間が殺害されておりその犯人を当てることがゲームだと書置きがされている。聖遺物をかけて殺人事件を解くというお話。
エンターテインメント系のミステリー小説となります。前半の短編ではそれぞれの探偵が能力を使って事件を解き、後半で全員揃っての知恵比べゲームという流れになっています。
見所は特殊能力を使って事件を解く描写です。探偵AIによる解析、異常な五感、クロックアップ、夢の中で無制限に現場検証、など能力を使って事件を解いています。通常のミステリーとは全く違うアプローチをするので読んでいて面白いです。
これだけ超人的探偵が集まっているから推理はしなくていいだろう、と私は思っていたのですが、ミステリーとして見ても質が高いので推理して楽しむことも出来るようになっています。知恵比べゲームの真相、その犯人を参加者になった気分で解いて楽しむのもありでしょう。
少々毛色の違うミステリーですがエンターテインメント系としても楽しめるので気軽に読めておススメです。