花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

原尞 それまでの明日

原尞 「それまでの明日」
今回は貰い物。初めて読む作家さんでした。

 

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主人公の私立探偵のもとに現れた金融会社の男性が料亭の女将を調査してほしいと依頼しにくる。しかし対象の女将はすでに亡くなっており顔がそっくりの妹が女将をしていた。依頼者が調査してほしいのか確認しようとするも依頼人が行方不明になってしまう、というお話。
 
シリーズ物の最新刊で実に14年ぶりだそうです。
読んでみた感想を端的に言うとすべてが古臭い。14年前の書き方でそのまま続編を作ったようです。一つの事件から様々な出来事に枝分かれしていく構図なのですが、書き方があまりに淡々としすぎて惹き付けられる描写がないためちゃんと追うために読み込むのがかなり苦しい。せっかくのシリーズ復活ですがこれでは元からのシリーズファン以外は付いていけないだろうと私は思います。
本シリーズの売りはハードボイルドな雰囲気だと読み取れました。私立探偵が主人公ですが中身は限りなく刑事物に近い。なのでそういった作品が好きであれば楽しめそうです。
 
つまらないとは思いませんので、刑事物が好きな方であれば楽しめると思います。