折原一 「倒錯のロンド」
古い作品を読んでみようと思い立ち折原さんの作品を選んでみました。
ある男性が推理小説の新人賞に応募するための作品を執筆していた。難航しつつも自信作を完成させたが、友人に預けた原稿が他人に持っていかれてしまう。再度書き直すも何者かによって友人は殺害され自身も襲撃されてしまい、受賞発表には別の人物の作品として掲載されていた。作品を盗んだことへの復讐をし始める、というお話。
初版1989年なので30年以上も前のミステリー作品となります。
傑作と言われているのも頷ける質の高さでした。特に随所にある仕掛けの巧妙さはほかの作家さんと比較しても別格です。これをデビューして数年で書いているのは驚きでした。かつて傑作と言われた作品を読んだ時に「当時は斬新だっただけでは?」と思うことがこれまで何度かあったのですがこちらは問題なく楽しめました。
ただ、理解するのが難解なので気を張って読まないと話に置いて行かれそうです。手軽に読みたいときに手にしてしまうと何がなんだか分からないまま終わってしまいそうに見えました。
ミステリー好きな方にはぜひおススメです。