花の本棚

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東野圭吾 透明な螺旋

東野圭吾 「透明な螺旋」
ガリレオシリーズの新刊が出ていたので買ってみました。
 

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海に漂流している男性の遺体が発見される。彼を殺害した容疑者である彼の恋人は事件後に失踪しており、かつて彼女が世話になっていた女性と共に逃亡していることが判明する。なかなか二人を見つけられないため一緒に逃亡している女性について調べていると、彼女の書いた絵本の参考文献に湯川の名前があった、というお話。
 
ガリレオシリーズの最新刊となります。
本作は「生き別れの家族の絆」がテーマになっていると読み取れました。何らかの事情で長らく離れた家族と出会ったときにどうするか?という描写が多くあります。また今回のミステリー面はこの部分を起点として発生しているため、これまでのシリーズとは少々違って面白いです。代わりに科学的なトリックは出てきませんので、そちらを期待している方は気を付けましょう。
それと今作は草薙と湯川のやりとりが多めに描かれています。年を重ねてもこのように信頼しあえる仲なのは素敵だなと思いました。自分にもこういった仲の友人が何十年か後にいてくれたら良い人生送れたと思えるのだろうと考えてしまいますね。今の感じだとよほど私がやらかさない限りは誰かしら該当者がいそうな気がします。
 
色々な作家さんを読んでいると、東野さんの作品の読みやすさは別格だなと毎回思います。ぜひ読んでみてください。