我孫子武丸 「殺戮にいたる病」
この本は傑作と聞いて読んでみました。
世間では猟奇殺人鬼が現れたと話題になっていた。その犯人は被害者女性たちの体の一部を切り取って持ち帰っていることからシリアルキラーであるとされていた。犯人視点と捜査側視点で殺人鬼の動向を描いた作品です。
これは1992年の作品を新装したもので我孫子さんの代表作にして傑作と称されている作品です。
有名な作品なので先に言ってしまいますと叙述トリックの傑作として有名です。そんな触れ込みで読んでみたのですが面白くありませんでした。
最後に叙述トリックによる大きなどんでん返しがあるのですが、実際に読んでみると「…え、それだけ？」という印象です。発売当初は斬新な叙述トリックだったのかもしれませんが、はっきり言って今だと到底通じないレベルです。「どんどん橋落ちた」を読んだ時も同じようなことを書いていましたね。
叙述トリックの部分に魅力がないとなるとただただグロテスクな猟奇殺人の描写が続くだけの作品なので、魅力は特にないです。
いつかアガサ・クリスティーなど昔の有名な作品を読んでいこうと思っているのですが、もしかしたら私は向いてない可能性があるのかも。
この作品は発売当時の思い出と一緒に読める人以外は読まないほうがいいです。
