花の本棚

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麻見和史 蟻の階段

麻見和史 「蟻の階段」
以前読んだ「石の繭」という同著者の作品の続編です。何冊か続いているシリーズものだと最近になって知りました。



主人公は捜査一課の女性刑事。
テーブルの上に横たえられた男性の遺体が発見され、その周辺には4つの遺留品が残されており犯人からの絵画を模した謎かけであると推測された。
その後、犯人から退職した警察官に電話があり自分は濡れ衣を着せられて刑務所に入った復讐をしていると告げる。
真相のカギは遺留品にあると犯人から告げられ、謎を解いていくというお話。

前作「石の繭」は心理戦と謎解きを交えた推理物だったのですが、本作は謎解きに重きを置いています。刑事物なのに謎解きがメインというのもまた変わってます。
ただ文字だけでしか説明がないので遺留品が何を意味しているのかを推理しようとすると難易度が高いです。図が欲しかった。
伏線回収は上手くできているので、真相がわかると全部がちゃんと繋がってスッキリ感があります。
あと主要人物へのキャラ付けがしっかりされているので読んでて面白いです。なので流し読みでもテレビドラマみたいに楽しめます。

この作品はたぶん映像化すると面白くなります。というより映像がないと推理するのがつらい・・・。
wowowでドラマ化されているそうなので、気になる方はチェックするのも良いかと思います。