伊藤拓 「精神科医が教える後悔しない怒り方」
来年は怒り方を上手くなりたい、と考えて参考になりそうな書籍を読んでみました。
近年では「アンガーマネジメント」が流行っており、そういった手法を使って「怒らないようする」という意味だと誤解されがちである。それは誤解であり、自分の怒り方の傾向を知って「人間関係を破壊しないように」怒ることが重要だと本書では書いています。
大項目と一言のまとめは以下となります
1. 怒りをどう扱うか
大前提として怒ることは生きるために必要な行為と認識しておくこと。その上で自分の怒りの傾向を知り、適切に怒ることが必要
2. タイプ別の怒り方とその対処法
6つのタイプ別に怒り方の傾向とアドバイスが書かれている。そのタイプが怒っているときに周囲がどうしたらいいかも書かれているので、自分のタイプ以外も読むとためになる。
3. 怒る時のコツ
ポイントは3つ
・その場で怒る:よく言われている「皆の前で怒ってはいけない」は考慮しなくて良い。
・対面で怒る:メールなどで怒りを伝えると誤解が生じて伝わらないことが多く、後悔する結果になりやすい
・怒る基準をブレさせない:基準がブレると気分で怒っていると取られて後悔する結果につながりやすい
といった内容です。
少しでも何かの足しになればいいなと思って買ったのですが、参考になる考え方や手法が書かれているのでためになりました。「アンガーマネジメントはゴミ」「滅多に怒らない私を怒らせるような人たちは万死に値する」という私と同じ考えに行きついてしまった人には特におススメです。
かつては「感情をコントロール出来ないような社員は邪魔になる」と考えるのが当たり前でしたが、近年の傾向ではそういった一人一人の感情にも向き合わないとチームとしてパフォーマンスが上がらないという考えが主流になってきています。そういった時代の変遷に対しても本書は合っていると思うのでリーダーやマネージャーの方々にとっても良いことが書いてあるかもしれません。
ちなみに私の怒りのタイプは「怒りをため込み、後で一気に爆発させるタイプ。何年も前の恨みまできっちり覚えている」でした。このタイプの改善方法としては「怒りを出しても良いと認識すること」「怒りを小出しにすること」の二つが書かれていました。ここ数年の私は怒りのあまり「特定の先輩と関わる業務はすべて拒否し、自分を懲戒にして良いと通達する」、「会議中にボールペンをへし折る」といった具体的かつ強烈な怒りの表し方をし始めていたので、まずは怒りを小出しにすることから始めようと思います。
自分は上手く怒れる自信ないなぁ、と悩む人は試しに手に取ってみると良いことがあるかもしれません。