花の本棚

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斎藤孝 頭の良さとは「説明力」だ

斎藤孝 頭の良さとは「説明力」だ
今回は貰い物の自己啓発本です

 

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「3分だけ時間をください」と言われて本当に3分で説明が終わったらスゴイと思いますよね。そうなるための説明のポイントと組み立て方が書かれています。
大項目は以下のようになっています
・知的な説明力とは何か
・説明の組み立て方
・説明力アップの訓練方法
・応用テクニック
説明についての本なだけあって無駄なく簡潔にまとめられているので非常に分かりやすいです。これで解説が長々と書いてあったらどうしようかと思いました(笑)。「説明が上手い」と印象付く仕組みの説明からすぐに実施できる実用的なテクニックまで書かれているのでためになることが幅広く紹介されています。
人に何かを説明する場面は社会人なら避けられないため説明が上手いと良い強みになります。特に最近ではコロナの影響によりリモートで取引先に説明するために実物を思ったように見せられないケースも増えているので、より説明力が求められるのではないでしょうか。
 
作中で「最近何かあった?」に上手く返答出来る人は説明力が高い、と書かれていました。
雑談の切り出しによくあるフレーズですが苦手とする人がとても多いそうです。この聞かれ方だったら何の話をしてもいいと思っています。とりあえず話を出しておき、広がりそうな種を見つけていけばしばらく雑談できるという算段です。
ただしこれとは別の問題がありまして、聞いてきた相手が話しを広げる努力をしない場合は非常に困ります。話が終わったら「他には?」と来て別の話をしないといけないのでまるでテレビになった気分になります。特に「何か楽しい話して」と切り出されたら楽しさまで要求されるので最悪です。相手にも同じように聞く手段もあるのですが、この困ったケースのときは「こっちにないから聞いている」とたいてい言われてしまいます。
自分がされると苦しいので人の話を聞いているときは自分の引き出しに引っかかるワードを見つけようと努力するようにしています。
 
もう一つ気になったのが、納得感を出すために例え話が有効と書かれていました。
最近ツイッターで何かの事象を別の例を出して「これと同じだぞ」と話しているのをよく見ます。例え話は「私はこれと同じ価値観でみています」を主張しているだけだと私は考えています。ツイッターは遊びなので説明を求めるのも野暮ですが、真に受けて自分の価値観が間違っているのかとショックを受ける方もいるようです。それが大事だと思う人は尊い雰囲気の例を引き合いにしますし、くだらないと思う人は不毛な雰囲気の例を使うでしょう。賛同する人が多くいてもそれが世間の常識とか正しい意見とか思うことはない、というのが私の意見です。
 
書かれているテクニックでそのまま書いてくれているので納得感のある作品でした。