花の本棚

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新藤卓広  アリバイ会社にご用心

新藤卓広 「アリバイ会社にご用心」

本屋で見かけて面白そうだったので買いました。

 


主人公は「アリバイ会社」で働く社員。彼が会社の客である男性の殺人容疑で事情聴取を受けることとなり、父親がかつて殺人を犯したことがあるという言いがかりから容疑者にされてしまう。
その後アリバイ会社に女性客が訪れ、殺人事件の犯人だが男性の殺害時刻にアリバイがあるので崩してほしいと依頼される。自身の容疑を晴らすために女性のアリバイを崩していく、というお話。

アリバイを崩すという点は普通の推理ものと同じですが、自分から自首するためにアリバイ崩すという話の流れが新しい。目撃証言の見間違いを覆したりと今まで読んだものと違う手順踏んで行くので新鮮でした。
話の展開も分かりやすくていいです。最初の事件以外にも事件が起きるのですが、その犯人もすごく分かりやすかった。証拠の出し方があからさますぎて(笑)

ちなみにアリバイ会社というのは「浮気しているのがばれそうだから、そのとき別の場所にいたアリバイを作ってくれ」とか「会社辞めたの家族にばれたくないから、会社に勤めてることにしてくれ」といった依頼を請け負う会社のことです。プライド高くて見栄っ張りが多い日本男児には需要ありそう。実際にあったら流行りそうだな、とか思ってたら架空の会社に勤めてることにしてくれる「アリバイ会社」という商売は調べたらありました。源泉徴収とかもちゃんと出してくれるらしいですよ。

スラスラと読みやすくて良かったので、この作者の本も読んでみようかな。