斎藤孝 「アウトプットする力」
弊社の本年度における方針が役員の方々から説明がありました。その中で「現場の人たちが一番情報を持っているのだから、どんどん発信していってほしい」といった話をされていました。書評の書き方は自己流ですし、情報発信の仕方についてちゃんと学んだことがなかったと思い立ち、こちらを買ってみました。

SNSや社内ツールなど誰でも情報発信できるツールが増えたり、とにかく多くのアイディアを出すワークが流行っていたりと、日常でも仕事でも発信する機会が増えている。こういった状況を踏まえると発信は重要なアクションであり、知識のインプットもアウトプットを前提にして行うのが良い、と主張した書籍となります。話す、書く、といった各種アウトプットの方法を手短に紹介しています。
大項目と一言まとめは以下
①共通する心構え
重要なのは以下の二つ
1. 質より量
時間をかけて丁寧な発信を1つするよりも。量を増やしてフィードバックの機会を増やすことで気付きを得てアウトプットの質を上げていくのが良い
2. 自分の視点を付与する
単に事実をまとめただけだと「AIで要約、発信すれば良い」になる。自分の経験、価値観に基づく意見を入れると共感や感心を得て見てもらえるようになる
②話すアウトプット
雑談など口頭でやり取りする場でのアウトプットの質を上げるワザ、方法を紹介している
1. 知らない話題でも話を回す:「知らない」という事実をもとに会話を回すワザ
2. 1分で話せるように意識する:言いたいことを1分で話せるようにまとめておく。別の人の書籍でも同じことを言っていた
③書くアウトプット
SNSやブログなど文章でのアウトプットの質を上げるワザ、方法を紹介している。仕事だと社内wikiで情報展開する時などに使えそう
1. 締め切りを設定する:「10分で書く」と決めて、時間が来たら質は度外視して出す。
2. 1/5に縮める意識を持つ:何かを要約して発信するときは1/5の文章量を目指す
④発信を促すためにはどうするか
自分だけでなく他メンバーも含めて発信が欲しいときのワザ、方法を紹介している
1. 上機嫌になる/する:発信する側も受ける側も、機嫌が良い方と発信が生まれやすい
2. "ダメもと"をありとする:発信があるだけで思考が刺激されるので、質は置いておきまずは発信したこと自体に感謝する
発信に関するテクニックや練習法が分かりやすく紹介されていて面白かったです。難しい内容でもないので気構えることなく読める点も良い。
仕事向けの発信という視点で見ると、手軽な内容の割に現代のトレンドがしっかり押さえられていてためになります。例えば④-2.は、言及されていませんでしたが「心理的安全性」のことを言っている、とかですね。
注意点としては紹介されているワザや方法はSNS向けに書かれていることが多く、使いどころによっては工夫が要ります。例えば①-2.はSNSならいくらでも入れれば良いですが、仕事の場合は事実と自分の意見が混ざって間違った情報が伝わらないように工夫が必要になります。
個人的に印象的だったのは④-1.と2.の話。この紹介も含め私は情報の発信を積極的にやる姿勢でいます。しかし発信したことがきっかけで詰められたり、べきべき攻めにあうこともあります。こういった時に「知らないふりして黙っていれば良かったかも」と後ろ向きになったこともあるので、他の方を同じ気分にさせないためにも④-1.と2.は常に持っていたい、と改めて思いました。
手軽な割に良いことが書いてあるので、気になる方はチェックしてみてください。