花の本棚

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阿津川辰海 紅蓮館の殺人

阿津川辰海 「紅蓮館の殺人」
2020年このミスにランクインした作品を買ってみました。
 

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主人公は2人の男子高校生。合宿先近くの山中に憧れていた作家が隠居している屋敷があると知り、向かう途中で山火事に遭遇する。避難を名目にその屋敷に泊めてもらうことになったが、翌朝に屋敷の住人の一人が死亡しているのを発見する。主人公は真相を探ろうとするが、他の者たちからは山火事から逃れるために脱出経路を探すことを優先するべきと主張されてしまう。
事件の真相と屋敷からの脱出経路の探索のどちらを選ぶべきか、というお話。
 
推理できる場所が随所に散らばっている推理小説です。
謎が絶え間なく出てくるので推理が好きな人には間違いなく楽しい作品だと思います。タイトルを見て綾辻さんの館シリーズを連想する人も多いでしょう。おそらく館シリーズを意識した作品と思えますし屋敷の仕掛けを解くシーンもありますが、仕掛けを解くのはそこまでキーになってはいません。館シリーズ(正確には綾辻さんの作品)は大嫌いなのでそこを心配していましたが、この作品は上手く作られているので私と同じような境遇の方でも大丈夫です。
推理だけでなく、探偵が真相を暴き立てるのは傍から見てどうなのか?という部分にも焦点が当たった話になっているのでそちらも面白く書かれています。
 
謎を解いて楽しみたいという方におススメです。