花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

樋口明雄 ハルカの空

樋口明雄 「ハルカの空」
前に読んだ「天空の犬」の続編です。



本作は山岳救助隊のメンバーにフォーカスをあてた短編集になっています。
なぜ山で働くことを選んだか、山に対してどんな思いを持っているのか、がそれぞれのメンバーのエピソードとして書かれています。
今回はメンバーにフォーカスが当たっているため、前回より犬の出番は少なめです。

エピソードと一緒に近年起きている登山の問題も書かれています。
山ガールブームが出始めたあたりから危険行為やマナー違反が目立つそうです。
心構えや基礎体力を準備せずに登るため何が危険か理解しておらず、疲労しすぎてマナー守る余裕が無くなるのが原因かなと思います。
普通のオフィスの中でさえ仕事に追われて疲労している人の言葉使いが乱暴になるのはよく目にするので、環境的にも肉体的にもキツイ山の中ではもっと顕著になるような気がする。

本書で得た犬に関する豆知識を一つご紹介。
犬は体温が人より1~3度高くなっています。そのためダブルコートを持つ犬は前足のわきの下に手を差し入れるように抱くとかなり暖かいそうです。
雪山で遭難したときに一晩暖を取れるくらいだとか。いいなぁ。

本作でもやっぱりメイは可愛かった。
結構気に入ってるので一気にシリーズそろえるのもありな気がしてます。