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齋藤孝 使える!「孫子の兵法」

齋藤孝 「使える!「孫子の兵法」」
今回は雑学系です。先月テレビで孫子の兵法について著者が紹介していたのが気になって買ってみました。
番組終わってアマゾン見たら売り切れてたんで少し間が空きましたが・・・。



孫子の兵法について著者が役立つ部分の紹介と現代に置き換えるとどういった解釈をするのかを書いています。
大項目は以下となっています。

・勝負は戦う前についている
・「勢」を味方につけよ
ビジネスパーソンが考えるべき「策」とは
・強い組織は「将」が作る
・そして、いざ「戦闘」へ

軍師や策士のための考え方と思われがちですが、孫子の兵法は「将」に向けた考え方として作られています。
「将」=軍を率いる人物なのですが、現代だと「自分で判断して行動する人」と読み替えられます。
策というと「絶望的な状況からの大逆転」といったカッコいいものを思い浮かべますが、孫子の兵法は超合理主義な内容でパッと見るととても地味です。内容から見ると絶望的な状況になってる時点でダメ、となりそう。

「勝てるかどうかは敵次第なので分からないが、負けないかどうかは己の備えで決められる」という考え方が根元にあるそうで、これにはとても共感できます。

パートで見ると最初の「勝負は戦う前についている」が孫子の兵法で有名な部分を説明する部分になるので、やはり読んでて面白いです。
まず第一に「勝てる見込みのない相手とは戦ってはならない」と言っています。
弱い相手とだけ戦う、という意味ではなくて「敵の情報と自分の組織の情報を把握して勝てるかを正確に判断しろ」ということです。
本書の中では情報収集が最重要なことと位置付けています。有名な「彼れを知り己れを知らば、百選して危うからず」はこのことを言ってます。
私も成功の見込みがない目標や方針出されると異議を申し立てることはよくあります。

孫子の兵法の概要が分かったのですが、気になったことが一つありました。
「己を知る」とは何を知ればよいのか?に対して「得意なことと苦手なこと」と回答されていましたが、今の時代だとそれだけでは足りません。
私は「欲」を把握するのが重要だと思っています。昔のような滅私奉公な社会ではないので、自分の欲と合うことが出来る=モチベーションという図式を考慮しておかないといけません。
例えば「目立ちたい欲」が強い人に人目に全くつかない仕事をさせてもおそらく上手く成果が出ません。なのでチームを組むときは能力も大事ですが、欲のタイプを考えてメンバー揃えないと表面上は機能してても内心は不満で一杯なメンバーが出てきてしまうのではと思ってます。

孫子の兵法って気になる、という人へのとっかかりとして読むのにおススメな本です。
読んで実践すれば仕事などで活躍する手助けになるかもしれません。