花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

ミステリー

久住四季 星読島に星は流れた

久住四季 「星読島に星は流れた」久住さんの作品で面白そうなものがあったので買ってみました。 主人公のものとある島への招待状が届く。その島は数年に一度隕石が落ちてくるという奇跡の島であり、しかも招待された客が滞在している間に隕石が落ちた場合は…

下村敦史 ガウディの遺言

下村敦史 「ガウディの遺言」下村さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は外出したまま帰ってこない父を探していると父の友人がサグラダファミリアの塔から吊るされて殺害されているのを発見してしまう。現場の状況からサグラダファミリア…

白井智之 名探偵のはらわた

白井智之 「名探偵のはらわた」以前読んだ「名探偵のいけにえ」が面白かったのでその前進にあたるこちらを読んでみました。 探偵の助手をしている主人公は放火事件の調査のために山奥の農村を訪れる。そこで起きた事件は探偵の推理により解決するが、その村…

白井智之 名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件

白井智之 「名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件」2023本格ミステリベスト10の1位に選ばれた白井さんの作品ということで読んでみました。 主人公の探偵は助手の女性の活躍によって名声を高め、一躍有名人となっていた。あるとき彼女が宗教教団の調査に向かっ…

小西マサテル 名探偵のままでいて

小西マサテル 「名探偵のままでいて」2023年の「このミステリーがすごい!」の大賞に選ばれた作品ということで買ってみました。 主人公の女性の祖父は認知症によって幻視や記憶障害の症状が見られるようになっていた。それでも調子が良い時は切れ者であったか…

織守きょうや 悲鳴だけ聞こえない

織守きょうや 「悲鳴だけ聞こえない」気になっていたけど去年結局読まなかった作品三つ目を読んでみました。去年読まなかった作品群はこれで最後になります。 新人弁護士と先輩弁護士が主人公の短編集でシリーズ物の第三弾です。各章は破産手続き、遺言状作…

阿津川辰海 斜線堂有紀 あなたへの挑戦状

阿津川辰海 斜線堂有紀 「あなたへの挑戦状」気になっていたけど去年結局読まなかった作品二つ目を読んでみました。グループにもこの作品の投稿がいくつかありました。 両著者が書いたミステリー作品が収録されていたものとなります。阿津川さんが書いている…

まさきとしか レッドクローバー

まさきとしか 「レッドクローバー」まさきさんの新刊が出ていたので読んでみました。 ヒ素を使用して大量殺人した男性が逮捕された。十年以上前に北海道にてヒ素によって家族が毒殺される事件があったこと、その事件で唯一の生き残りであり犯人だろうと目さ…

雫井脩介 クロコダイル・ティアーズ

雫井脩介 「クロコダイル・ティアーズ」雫井さんの新刊が出ていたので買ってみました。 陶磁器を扱う老舗を経営する夫婦が3世帯で暮らしていた。あるとき彼らの息子が息子の妻の元交際相手に殺害されてしまう。裁判の末犯人は有罪となったが、判決を聞いた直…

天祢涼 拝啓 交換殺人の候

天祢涼 「拝啓 交換殺人の候」あらすじを見て気になったので読んでみました。 主人公の男性は自殺するために首吊り桜と呼ばれる木がある神社にやってきた。木に登ってみると枝の洞に封筒が置いてあり、そこには自殺をするくらいなら交換殺人をしないかという…

荒木あかね 此の世の果ての殺人

荒木あかね 「此の世の果ての殺人」あらすじを読んで気になったので読んでみました。2022年江戸川乱歩賞の作品となります。 二か月後に小惑星が日本に衝突すると発表されたことから世界中で混乱が起きていた。そんな中で主人公の女性は免許を取るために自動…

浅ノ宮遼,眞庵 情無連盟の殺人

浅ノ宮遼,眞庵 「情無連盟の殺人」あらすじを見て面白そうだったので読んでみました。 主人公の男性は感情が失われていく病気に罹っていると判明した。まだ初期の段階ではあるがいずれ何に対しても最低限生きていける程度にしか行動しないようになっていく「…

市川憂人 灰かぶりの夕海

市川憂人 「灰かぶりの夕海」市川さんの新刊が出ていたので読んでみました。 主人公の男性は配達の仕事中に倒れている女性を発見する。その女性はかつて亡くなった恋人と瓜二つであり、名乗った名前も同じであった。明らかに怪しいが放っておくこともできず…

月原渉 九龍城の殺人

月原渉 「九龍城の殺人」月原さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は裏組織を取り仕切る祖母に母の遺骨を届けるために香港に向かう。香港で知り合った同世代の女性2人と友人になるが、そのうちの一人が貧困のために自ら身売りをしてしまう…

阿津川辰海 録音された誘拐

阿津川辰海 「録音された誘拐」阿津川さんの新刊で面白そうな作品があったので買ってみました。 ある探偵事務所長が誘拐される事件が発生する。その日は彼の家族が集まってホームパーティーをしていたため、犯人からの接触を一族で待つ形となった。そのとき…

未須本有生 ミステリーは非日常とともに!

未須本有生 「ミステリーは非日常とともに!」以前読んだ「天空の密室」が面白かったので未須本さんの別の作品を読んでみました。 ミステリー作家が豪華客船上にてファンとの交流会を開催することとなった。イベントとして客船特有のトリックをファンの前で披…

織守きょうや 301号室の聖者

織守きょうや 「301号室の聖者」先日読んだ「少女は鳥籠で眠らない」の続編がちょうど新しく文庫で出ていたので読んでみました。 主人公の新人弁護士は医療過誤の案件を担当することとなった。病棟を訪れると治療できる見込みのない患者も多く入院しているこ…

秋尾秋 彼女は二度、殺される

秋尾秋 「彼女は二度、殺される」このミス大賞2022の隠し玉と帯に書いてあったので買ってみました。 主人公は傀々裡師という死者を一時的に蘇らせる超能力者。遺族の前で死者を生き返らせて最後の別れの挨拶をさせてあげることを生業としていた。娘を殺害さ…

織守きょうや 少女は鳥籠で眠らない

織守きょうや 「少女は鳥籠で眠らない」織守さんの作品で面白そうなものを見つけたので読んでみました。 新人弁護士が主人公の短編集となります。案件ごとに章になっていてそれぞれの案件で登場する人物たちには何か隠れた目的があり、それを明らかにしてい…

城山真一 看守の信念

城山真一 「看守の信念」前作の看守の流儀が面白かったので続編を読んでみました。 刑務所を題材にしたミステリー短編集です。刑務官の視点で物語が進むのは前作と同様です。前作は受刑者のケアにフォーカスが当たっていたため刑務所内の話が多かったのです…

矢樹純 残星を抱く

矢樹純 「残星を抱く」矢樹さんの新刊が出ていたので買ってみました。 主人公の女性は複数人で男性を暴行している現場を目撃して自宅まで逃げ帰ってきた。刑事である夫に相談しようか躊躇っていると、ポストに先の件を示唆する脅迫状が届いていた。その後二…

未須本有生 天空の密室

未須本有生「天空の密室」少し前に開発中の空飛ぶ車をテレビで見て、かっこいいなーと思っていた時に見かけた作品。 高層ビルの屋上階段にてバラバラにされた遺体が発見された。現場の高層ビルの状況から考えるとビル内から屋上へ向かうことは出来ず、犯人は…

水生大海 最後のページをめくるまで

水生大海 「最後のページをめくるまで」タイトルが気になって買ってみました。 こちらはミステリー短編集となっています。タイトルの通りどの章も結末に重点を置いていて予期せぬ真相や展開が待っているというものです。結末も種類が色々とあって順当に驚か…

白井智之 死体の汁を啜れ

白井智之 「死体の汁を啜れ」白井さんの作品で面白そうなものを見つけたので読んでみました。 どの事件も遺体に猟奇的な特徴がありしがない推理作家が真相を探るという短編集になっています。猟奇殺人のはずなのですが作品の雰囲気が全体的にコミカルに出来…

烏丸尚奇 呪いと殺しは飯のタネ 伝記作家・烏丸尚奇の調査録

烏丸尚奇 「呪いと殺しは飯のタネ 伝記作家・烏丸尚奇の調査録」このミス大賞2022の隠し玉という触れ込みが気になって買ってみました。 主人公の伝記作家としてそれなりに売れていたが完全オリジナルの作品を描かせてくれない現状が不満であった。そんな彼に…

阿津川辰海 入れ子細工の夜

阿津川辰海 入れ子細工の夜短編集ですが阿津川さんの新刊が出ていたので買ってみました。 4つの話からなるミステリー短編集です。短編でありながらも一つ一つの謎はかなり上手く作られています。短編なので真相を見てから前を読み返すのも簡単なので謎解き感…

浅倉秋成 俺ではない炎上

浅倉秋成 「俺ではない炎上」浅倉さんの新刊が出ていたので買ってみました。 Twitterに殺人現場をアップされているのが拡散され、そのアカウントの投稿からある建設会社の男性のアカウントであると特定される。彼自身はアカウントを持っていないため何者かが…

澤村伊智 邪教の子

澤村伊智「邪教の子」澤村さんの作品で気になるものがあったので読んでみました。 あるニュータウンに新興宗教に属する一家が引っ越してきた。その家の母親は住民を勧誘したり病気で歩くことのできない娘を利用して住民から寄付金を回収したりしていた。その…

佐野広美 わたしが消える

佐野広美 「わたしが消える」「誰かがこの町で」が面白かったので佐野さんの別の作品を読んでみました。 元刑事の男性は軽度の認知障碍と診断されてショックを受けていた。あるとき離れて暮らす娘から施設の前に置き去りにされた老人の身元を突き止めて欲し…

佐野広美 誰かがこの町で

佐野広美 「誰かがこの町で」書店で見かけて気になったので買ってみました。 主人公の男性は自分を捨てた両親を探して欲しいという依頼人のためにある高級住宅街へ向かいこととなった。事前の調査で一家はその街で失踪していると判明していたのだが、住民に…