花の本棚

読んだ本の感想や考えたことを書いています

エンターテイメント

千早茜 透明な夜の香り

千早茜 「透明な夜の香り」タイトルと表紙が気になって買ってみました。初めて読む作家さんです。 主人公は調香師の住む屋敷に務めることになった女性。彼は香りに関する天才であらゆる香りの作成だけでなく、匂いから相手の感情や体の状態、行動を読み取る…

高木敦史 さよならが言えるその日まで

高木敦史 「さよならが言えるその日まで」本屋で見かけて、タイトルと表紙に惹かれて買ってみました。 交通事故によって小学校教師が死亡したが、乗っていた車からその日から行方不明になっていた少年のものと思われる痕跡が発見される。世間から誘拐犯の家…

朝井リョウ ままならないから私とあなた

朝井リョウ 「ままならないから私とあなた」あらすじを読んで気になった作品。 価値観をテーマにした2つの物語を書いています。価値観は人それぞれ、と言われ始めて随分と経ちますがこの主張をどう思いますか?というのが本作の内容になると思います。一本目…

東野圭吾 恋のゴンドラ

東野圭吾 「恋のゴンドラ」何も考えずに読めるものと思い買ってみました。 スキー場上を舞台にした恋愛模様を描いた短編集です。男性がだらしないことで起こる出来事がメインで書かれているので、恋愛小説ではなくて楽しみながら読めるエンターテイメント系…

春口裕子 イジ女

春口裕子 「イジ女」タイトルが気になって読んでみました。 様々な「イジ~な女」を描いた短編集です。イジ悪な女、イジっぱりな女など多種多様な女性が出てきます。タイトルが今話題の「いじめ」なのですが、イジめをする女は最後の章にだけ出てきます。こ…

薬丸岳 「蒼色の大地」

薬丸岳 「蒼色の大地」薬丸さんの新刊が出ていたので買ってみました。 明治時代に青い目を持った人間たちは「青鬼」と呼ばれて差別の対象となっていた。青い目を持つある青年が罪人の流れ着く島で海賊として暮らしており、その島では青い目を持つものは高い…

くろきすがや 感染領域

くろきすがや 「感染領域」今回は貰いもの。このミステリーがすごい!の大賞に選出された作品。 主人公は植物病理学者の男性。かつての恋人と一緒にトマトの実以外まで赤くなって枯れてしまう病気を調査していた。病気が拡大する中で、友人から偶然生まれた…

村上春樹 ダンスダンスダンス

村上春樹 「ダンスダンスダンス」羊をめぐる冒険の内容を忘れないうちに読んでおきました。「羊をめぐる冒険」から4年、主人公は友人たちを失って無気力な生活を送っていた。今の状態から抜け出すためにキキに会うべくすべての始まりである「いるかホテル」…

雫井脩介 犯人に告ぐ

雫井脩介 「犯人に告ぐ」この本の続編がいつの間にか出ていたので前作の書評を掘り出してきました。 主人公は過去に誘拐事件の捜査に失敗し、記者会見でメディアに喧嘩売った警察官。連続児童殺人事件が起きたが一向に操作が進まないため、テレビのニュース…

柚月裕子 孤狼の血

柚月裕子 「孤狼の血」今回は刑事小説です。この前映画見に行ったらこの作品の予告編を流れていました。 新人刑事が赴任してきた署には凄腕と噂される暴力団担当の刑事がいた。その実態はヤクザとの癒着や脅しを用いた違法捜査の数々であった。その最中にあ…

秋吉理香子 婚活中毒

秋吉理香子 「婚活中毒」ほかのブロガーさんが紹介していました。 結婚相談所、理系女子の婚活など最近の婚活事情をテーマに書かれた短編集です。どれも登場人物の心情が必死でリアルな感じがありました。「運命の出会いは命がけ」と帯に書いてありましたが…

辻村深月 凍りのクジラ

辻村深月 「凍りのクジラ」冬休み4冊目。休み中にこれほど読書したのは初めてかもしれない。 主人公は写真家であった父親の影響で藤子・F・不二夫が好きな女子高生。その父は失踪していまい、母親も入院生活をしている。彼女はその性格からどこにでも溶け込…

村上春樹 女のいない男たち

村上春樹 「女のいない男たち」この短編集なら村上春樹苦手でも読めるよ、と言われて買ってみました。 離婚、死別、独身貴族など様々な背景で愛する女性を持たない男性たち6人のエピソードを描いています。村上春樹が苦手な理由にメルヘンが多くて状況が想像…

辻村深月 スロウハイツの神様

辻村深月 「スロウハイツの神様」辻村さんの作品ではこれが面白いと聞いたので買ってみました。上下巻本は久しぶりです。「スロウハイツ」というアパートにオーナーが厳選した住人たちが住んでいた。その中には人気作家がおり、かつてその小説に影響されて死…

樋口昭雄 ブロッケンの悪魔

樋口昭雄 「ブロッケンの悪魔」少し間が空いてしまいましたがシリーズものを再開しました。パトロールをしていると山の雰囲気とそぐわない男たちが入山してくる。彼らはテロリスト集団で武装して山小屋を占拠してしまう。政府に対して要求を発表し、背けば毒…

山田宗樹 黒い春

山田宗樹 「黒い春」同著者の中では上位に入るおススメ作品として紹介されていました。薬物中毒で死亡した女性の司法解剖をしていると肺に黒い斑点がついているのを発見する。サンプルを取って調べると黒い胞子が定着していることが分かり、新種の菌ではと調…

樋口明雄 ハルカの空

樋口明雄 「ハルカの空」前に読んだ「天空の犬」の続編です。本作は山岳救助隊のメンバーにフォーカスをあてた短編集になっています。なぜ山で働くことを選んだか、山に対してどんな思いを持っているのか、がそれぞれのメンバーのエピソードとして書かれてい…

逢坂剛 幻の翼

逢坂剛 「幻の翼」前に読んだ「百舌の叫ぶ夜」の続きです。前作の顛末をマスコミに持ち込んで公表しようとする主人公の刑事。その内容は政治的な陰謀が暴露されるものであったために掲載を断られてしまう。その一方で崖から落ちて死亡したと思われた「百舌」…

樋口昭雄 天空の犬

樋口昭雄 「天空の犬」本好きのコミュニティで紹介されていた本を買ってみました。シリーズものの一番最初です。主人公は救助犬メイと共に救助活動をする女性。彼女は意識を色で視認できるという能力を持っていたが、東日本大震災の被災地に派遣された際にお…

下村敦史 生還者

下村敦史 「生還者」前に読んだ同著者の「闇に香る嘘」が面白かったので読んでみました。主人公は登山家。ネパールの雪山で発生した雪崩に巻き込まれて兄を含む4名の遺体が発見された。兄は4年前に婚約者を雪山で亡くしてから山から遠ざかっていたにも関わら…

黒川博行 迅雷

黒川博行 「迅雷」今回はもらいものです。読んだことのない作家。主人公は鉄くずを集めて売りさばく仕事をしている男性。交通事故にあって入院していると同室の男性と親しくなり、一儲けしないかと誘われる。その方法はヤクザの上層部を誘拐して身代金をいた…